ナマステ再び

ネパール滞在後の日常@主に日本です。

2020年に読んだ本

毎年恒例、昨年読んだ本。

テレワークになって通勤電車の移動時間がなくなったので読書時間が取れなかったのと(家だと、他の事も出来ちゃうから)、前期はとにかくオンライン授業に追いまくられていた割には、読めた方かも。2019年よりは少ないけど。71冊。

ただ、例年に増して救いようのない本が辛かったので、能天気な本も多いし、翻訳物も普段より多いかな。

2020年の面白かった本は、読んだ順で

  • FACTFULNESS(既に昔のこととなっているけど)
  • 美しき愚か者たちのタブロー
  • Blue
  • 熱源
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
  • あとは野となれ大和撫子
  • 佐藤優さん、神は本当にいるのですか?
  • ザリガニの鳴くところ
  • ブラックウェルに憧れて
  • 夜空に泳ぐチョコレートグラミー

今年も在宅が続きそうなので、本を読んでうまく気持ちを切り替える習慣をつけたいと思う。

以下、読んだ本のリスト。

検事の本懐 (角川文庫)検事の本懐 (角川文庫)感想
新年最初の一冊は、こういう真っ直ぐな話がいいよね。主人公の出自が明確になってすっきりした。
読了日:01月08日 著者:柚月裕子
木曜日にはココアを木曜日にはココアを感想
タイトル通り、暖かいココアを飲んだ気分。
ちょっと熱くて甘くて心地よい。
読了日:01月10日 著者:青山 美智子
「納得の内定」をめざす 就職活動1冊目の教科書「納得の内定」をめざす 就職活動1冊目の教科書感想
仕事関連本。さすがに感想書いている人いないなぁ。就活塾が書いていて、本を購入すると1回ES添削か面接練習ができるようになっているのが、握手券みたいでおもしろい。実例豊富で分かりやすいし、あんまり宣伝ぽくないので学生に勧められる。
読了日:01月14日 著者:就活塾 キャリアアカデミー
遠い他国でひょんと死ぬるや遠い他国でひょんと死ぬるや感想
確かに戦争に負けて日本は大変だったけれど、戦時中にやってきたことはなかったことにし、優しくしてくれる他国の人に甘えているのは気になっている。書きたいことが沢山あって発散してしまった感はあるけど、奇想天外な冒険も、過去をたどる話も面白かった。
読了日:01月17日 著者:宮内悠介
改良改良感想
主人公のとっ散らかり感は伝わってきた。
自分が何なのか、どうなりたいのか、解ろうともせず自分の中に埋没している感じは共感できない。
このままでは、彼はずっと辛いままだろうな。
読了日:01月20日 著者:遠野遥
モモコとうさぎモモコとうさぎ感想
主人公は、一般的には根無し草と言うのだろうが、誰にも迷惑をかけずむしろ感謝されながらちゃんと食べていけるんだから、そういう生き方があってもいいと思えて来た。
ただ、うさぎがなんだったのか、分からないままでモヤモヤ。
読了日:01月24日 著者:大島 真寿美
市立ノアの方舟市立ノアの方舟感想
廃園寸前の動物園に園長として異動させられた市役所職員の奮闘記、と言ってしまえばそうだけど、個々の動物の特性とか飼育員の工夫とかが楽しい。
読了日:01月26日 著者:佐藤青南
【ビジネス書大賞2020 大賞受賞作】FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣【ビジネス書大賞2020 大賞受賞作】FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣感想
世界に対する思い込みをどうやって正しくしていくか、データや問いで分かりやすく示している。大局的な見方と、個々の問題とを切り分けることの重要さを知る。世の中のせいにせず、自分がしっかり事実に向き合うようにしていきたい。著者の体験が、内容を裏付けていて、視覚的なチャートと合わせて分かりやすかった。
読了日:02月02日 著者:ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド
変半身(かわりみ) (単行本)変半身(かわりみ) (単行本)感想
この作家さん、性の不条理にこだわってるなと思う、女性側からの視点で。だから、私は結構入りやすい。
更に広げて、人間まで行っちゃったんだな。次はどこへ行くんだろう。
読了日:02月04日 著者:村田沙耶香
美しき愚かものたちのタブロー美しき愚かものたちのタブロー感想
史実に基づいたフィクションとのことだが、非常にドラマチック、更に松方幸次郎のスケールの大きさが圧巻で大河ドラマになりそう(女性の出番が少なすぎか)。白黒で印刷技術も乏しい写真でしかタブローを見ることができなかった時代に絵を描こうと志したり、美術史を勉強しようとした人々がいることにも驚く。
読了日:02月10日 著者:原田 マハ
BlueBlue感想
一人の平成の始めから終わりまでを生きた青年の生きざまを通して、平成と言う時代を振り返る。ある側面から見ると、こういう時代だったと非常に的確に描かれている。親は選べないし、その親自身も選べなかった親に育てられている。負のスパイラルはどうやったら止められるのか。
読了日:02月17日 著者:葉真中 顕
山小屋ガールの癒されない日々山小屋ガールの癒されない日々感想
題名と内容があまり一致していないけど、山小屋で働くということの片鱗が見えた。確かに、水や物資の補給は大変そうだし、荒天は怖いだろうな。狭い世界でずっと同じメンバーで働くのはしんどいだろうし。富士登山で、あまりの人口密度に山小屋恐怖症になっているのだが、もうちょっと環境の良い山小屋トライしてみたい。
読了日:02月20日 著者:吉玉 サキ
女ノマド、一人砂漠に生きる (集英社新書)女ノマド、一人砂漠に生きる (集英社新書)感想
遊牧民と出会う事なんて、この先あるような気がしないから、本で出会えてよかった。遊牧民というのは資本主義に縛られておらず、厳しい環境の中自由な感じもする。最後に書かれていた、不便で素朴なままでいて欲しいと願う感じはよくわかる。やっぱり、どんな人も便利な方に流れるよね。遊牧民がコーラ、う~んとなるけれど。
読了日:02月27日 著者:常見 藤代
乳と卵 (文春文庫)乳と卵 (文春文庫)感想
女という性に取りつかれてしまうのは、やっかいだ。理不尽なことが多すぎる。小昔と大昔を思い出して、あの持て余し気味な気分がよみがえってきた。やりきれないあんな気持ちこんな気持ちも過ぎてしまえば大したことなかった。
読了日:02月29日 著者:川上 未映子
いま大学で勉強するということ――「良く生きる」ための学びとはいま大学で勉強するということ――「良く生きる」ための学びとは感想
大学で教えたり、学生から相談を受けたり、の仕事の中で、ヒントになるかなと手に取った本。同志社の宣伝が多いのだが、文理融合の話には大いに頷くところ。家族全員理系、仕事場も理工系大学で考え方に偏りや欠如を感じる。総合的に学べる場所は必要と考える。
読了日:03月03日 著者:佐藤 優,松岡 敬
アタラクシアアタラクシア感想
シェフとか作家とかモデルとか、そういう人たちだからこんなに拗れちゃってるのか。それとも、人間ってこう言うものなのか。そんなに独占的な愛がほしいのかなぁ。地味な職業で、ぱっとしない容貌の私には、枯れる前からそんな欲望がないから、分からない話だった。みんな大変そうだ。
読了日:03月04日 著者:金原 ひとみ
言ってはいけない 残酷すぎる真実 (新潮新書)言ってはいけない 残酷すぎる真実 (新潮新書)感想
確かに、社会的には言ってはいけない事実はあると思う。あくまで、傾向だったり平均的にだったりするので、すべてに当てはまるわけではないと思うが、「頑張れば報われる」わけではないことは、わりと皆ひそかに感じているところではないかな。
読了日:03月09日 著者:橘 玲
47都道府県 女ひとりで行ってみよう47都道府県 女ひとりで行ってみよう感想
旅の醍醐味といえば、名物を食べるとか地元の人と触れ合うとか。それらに興味がない著者が47都道府県を毎月出かける話を読むって何なの?とも思うが、旅の楽しみ方は人それぞれということを知れたのが収穫。旅だけじゃなく、価値観は人それぞれなんだよね。
読了日:03月12日 著者:益田 ミリ
ウミガメみたいに飛んでみなウミガメみたいに飛んでみな感想
短篇、かくありき。って感じの7編。ちょっと拗れた主人公が、家族や周囲の人との関わりの中で前に進んで行く気持ちのいい作品群。捻られたくない時に読むのがお勧め。うちのカメの口角は下がってるんだよなぁ。
読了日:03月17日 著者:木村 椅子
【第162回 直木賞受賞作】熱源【第162回 直木賞受賞作】熱源感想
異なる価値観を持つ人たちを繋ぐのはいかに難しいか。ポーランド、ロシア、アイヌ、日本、それぞれの立場で見れば正しいことも他の立場で見れば間違っている。そして、自立を促すと言われる教育も歪んでいれば、誤った方向に進んでしまう。スケールの大きな話の中で色々考えさせられた。
読了日:03月19日 著者:川越 宗一
平成くん、さようなら平成くん、さようなら感想
テーマは面白い。自分のピークを知ってしまった若者が安楽死を望むと言うのもちょっと分かる。ITとかAIとか色々あるけど、電源を切ればさようならなんだよね。最後が切なかった。固有名詞満載は、「なんとなくクリスタル」を思い出した。あれも時代を表した小説だったな。
読了日:03月25日 著者:古市 憲寿
ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルーぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー感想
ダイバーシティが環境としてある中で、親子でも立場が異なる著者と息子。そして、ダイバーシティとは、人種など分かりやすいものだけじゃなく、様々な形で存在する事を改めて知った。その中で頭でっかちにならずに体で感じ世の中を泳いでいく若者たちがいい感じ。

読了日:03月28日 著者:ブレイディ みかこ
逃亡小説集逃亡小説集感想
「逃げる」というキーワードの短編集。でも、みんな上手に逃げていない。なんか、やけくそ的に逃げているから、すっきりとしないし、共感もできない。多分、既に「逃げる」よりも「逃れる」方に倒れてるんだろうと思う、自分が。
読了日:04月01日 著者:吉田 修一
涼子点景1964涼子点景1964感想
まだ幼少だったので、その頃の東京はおぼろげにしか覚えていないのだが、今よりもっと分かりやすい格差があったんだと思う。その時代背景と、主人公の聡明さが交わって、ミステリーでもあり女性の生きざまも示す作品だった。2度目の東京オリンピックはあるのか、ないのか。でも1度目は確かにあった。
読了日:04月06日 著者:森谷 明子
ノモレノモレ感想
アマゾンの先住民族の話。文明人は先住民族に対し、絶滅させてはいけないと考えてはいるものの、ではどうするのか?絶滅させないためには、文明と接触してはいけない。まさに、今私たちが直面しているような病原菌に対する免疫力が皆無だから。でも、現在では隔離することも難しい。ただ自然のままに、がいかに難しいことか改めて思い知らされた。
読了日:04月16日 著者:国分 拓
展望塔のラプンツェル展望塔のラプンツェル感想
読んでいて辛い話。子供虐待の話は辛いし、解決方法も分からないけれど、目が離せない。辛さだけでなく、ストーリーの展開に驚き、結末にちょっとだけ光が見えたのがよかった。
読了日:04月18日 著者:宇佐美 まこと
あとは野となれ大和撫子あとは野となれ大和撫子感想
どこにも行けない今、中央アジアの砂漠に思いをはせる。主人公の若い女の子たちが動き回り、為政するさまが清々しい。
読了日:04月25日 著者:宮内 悠介
黄金列車黄金列車感想
外出自粛なのに、全然進まない読書。史実に則ったフィクションなのかな。主人公は、何を守り何に従って生きているのか。終戦時に価値観ががらりと変わり、それぞれの行き場を見失ってしまうところが淡々と描かれていた。
読了日:05月24日 著者:佐藤 亜紀
チョコレートコスモス (角川文庫)チョコレートコスモス (角川文庫)感想
「ガラスの仮面」を想像し、東響子は松たか子とイメージ通り。才能のぶつかり合いがほとばしるのだけれど、残念ながら私には芝居の面白さがわかってないので、感情移入ができないのだった。残念。
読了日:05月30日 著者:恩田 陸
トリガー 上トリガー 上感想
登場人物が区別できず、中々難航。裏の名前とか。。。でもスケールは大きいから期待。ちょっと、オリンピックの勢いには乗れないけれども。
読了日:06月09日 著者:真山 仁
トリガー 下トリガー 下感想
登場人物の正体も分かって来て、色々繋がって、スピードに乗った後半。最後はちょっとすっきりし過ぎかな。
ここに書かれているように「日本と言う国は、外国に蹂躙されても、国益を食いつぶされても、誰も何も気にしないのではないか」という気はする。「気にしなくても、どうにかなる」「気にしても、しょうがない」両方合わせて。
読了日:06月09日 著者:真山 仁
小箱小箱感想
子供を亡くすと言う受け入れられない現実に折り合うための小箱、その存在感は伝わったのだけれど、恋人の手紙を解読させる男とその手紙を創作する女の関係が残酷で生々しくてちょっと辛かった。
読了日:06月14日 著者:小川 洋子
クジラアタマの王様クジラアタマの王様感想
マンガに戸惑い、夢の世界に戸惑い、でも現実に起こる事件のあれこれに引き寄せられ、読んでいるうちに納得していくというパターン。去年7月の発行なのだが、今読むと後半のパンデミック部分をもっとボリューム増やしたらよかったのにと思っちゃう。伊坂ワールド満喫した。
読了日:06月20日 著者:伊坂 幸太郎
カケラ (集英社文芸単行本)カケラ (集英社文芸単行本)感想
カケラを拾い集めて、真相に至るストーリー。なのだけれど、余り真相に迫りたいという気持ちが湧かず。
そして誰一人幸せにならないし、まあだからイヤミスの女王なのだろうけれど。
読了日:06月22日 著者:湊かなえ
生命式生命式感想
常識は後付けでできたものなのだから、普遍ではない。だから、違和感=先入観であって、ありえない話ではないし、こういう発想が出てくるところが新鮮で驚く。
皆同じように思ってるよね、が大きな誤りなんだよと教えられる。
読了日:06月25日 著者:村田沙耶香
音楽ってなんだろう?: 知れば知るほど楽しくなる (中学生の質問箱)音楽ってなんだろう?: 知れば知るほど楽しくなる (中学生の質問箱)感想
音楽が何かを文字で語るのは難しい、と思うのだけれど、中学生向けという事で分かりやすく興味を持つように書かれている。でも、なぜ音楽は人を感動させるのかな。解き明かす必要があるかどうかはともかく、謎のままだ。
読了日:06月25日 著者:池辺 晋一郎
上馬キリスト教会の世界一ゆるい聖書入門上馬キリスト教会の世界一ゆるい聖書入門感想
世界一ゆるいかもしれないけど、知らないこともいっぱいあって、聖書に親しみがわく本だった。
続編も読みたいな。
読了日:06月28日 著者:上馬キリスト教会
脱プラスチックへの挑戦 持続可能な地球と世界ビジネスの潮流脱プラスチックへの挑戦 持続可能な地球と世界ビジネスの潮流感想
コロナ禍で、環境問題意識が希薄になっている中、豪雨が日本を襲っている。明らかに異常気象であり、温暖化が影響しているのだろう。
分かりやすい良書。読むと否が応でも危機意識が上がる。
個人の意識が変われば、産業も重い腰を上げるはず。そして環境ビジネスにも注目が集まるはず。
読了日:07月08日 著者:堅達 京子,BS1スペシャル取材班
バスを待つ男バスを待つ男感想
バスのシルバーパスと言うのは結構どの都市にもあって、母も遠回りでもそれを使って出かけている。路線バスに乗るのは私も好きなので、こんな老後の楽しみ方もあるなと。都内の土地勘があればもっと楽しめたんだろうが、些細な事件の解決と合わせてほのぼのできた。影の主役の奥さんの言動が、シニア男性が理想とする奥さん像な感じがして、そこに抵抗あり。
読了日:07月12日 著者:西村健
59番目のプロポーズ キャリアとオタクの恋59番目のプロポーズ キャリアとオタクの恋感想
主人公だって、かなりのオタク部分があるので会話が成立しているし、関係が成り立っているように思うけれど、自分が自分らしくいられて、相手を思いやるという事が大切という事はよく伝わった。軽く見えて、本質ついてる感じ。
読了日:07月12日 著者:アルテイシア
ファースト クラッシュファースト クラッシュ感想
クラッシュして、次のステップに進む人、そこで足掻く人、壊れる人、自分で選んだつもりでも、実はその人のできることをやっていくんだろう。クラッシュを回避しちゃった人は、一生クラッシュに憧れるのかもしれない。女もいろいろ~♪
読了日:07月15日 著者:山田 詠美
佐藤優さん、神は本当に存在するのですか? 宗教と科学のガチンコ対談佐藤優さん、神は本当に存在するのですか? 宗教と科学のガチンコ対談感想
こういう組み合わせって誰が考えるんだろ。でも、キリスト教のいい加減さがはっきりと分かり、かなりスッキリした。時代や環境に合わせて、都合よく(柔軟に)変化してくんだな。そして、科学だって不変な真実じゃなく、嘘と証明されるまでの真実なのがよく分かって、とっても面白かった。人間が考えることは人間に都合がいいことなんだよね。動物の行動も人間が都合よく考えてるのかも。
読了日:07月19日 著者:竹内 久美子,佐藤 優
MISSING 失われているものMISSING 失われているもの感想
どうしちゃったの?と言うのが最初の感想。こんなに自分の中に閉じこもった話を書く人ではなかったよね。心境の変化?年齢?でも、自分の内面を書きたいというのは、作家にはあることなのかも。読むのは辛かった。。。
読了日:07月27日 著者:村上 龍
ヤットコスットコ女旅ヤットコスットコ女旅感想
おばさん全開なんだけど、嫌みがないというか、情けあって何だか微笑ましい。電車に乗ってどこか遠くに行くのも難しい昨今、旅での軽いあれこれで気がまぎれ、ちょっと気持ちが晴れた。
読了日:08月04日 著者:室井 滋
ハチはなぜ大量死したのか (文春文庫)ハチはなぜ大量死したのか (文春文庫)感想
ハチ=蜂蜜ではなく、ハチによって果物や木の実が受粉して実をつけるということを改めて知った。つまり、ハチがいなくなるということはそれらの収穫もできなくなるということだ。人間は簡単に食べ物を収穫するために、様々な工夫をしてきたけれどそれは反自然的なことも多い。益虫(人間にとっての)だけを保護することなんてできない。バランスが崩れてきているのを痛感する昨今、目の前の便利さから離れることが大切だと思う。
読了日:08月13日 著者:ローワン ジェイコブセン
インドが変える世界地図 モディの衝撃 (文春新書)インドが変える世界地図 モディの衝撃 (文春新書)感想
インドは最も行って見たい国。どちらかというと貧しいイメージが強かったがITの強さは目を見張る。20年後世界地図はどうなっているのだろうか、長生きして見てみたい(日本はその中であまり期待はできないが)
読了日:08月17日 著者:広瀬 公巳
わたしの外国語漂流記: 未知なる言葉と格闘した25人の物語 (14歳の世渡り術)わたしの外国語漂流記: 未知なる言葉と格闘した25人の物語 (14歳の世渡り術)感想
狭い日本の中にも、色々な仕事があって、色々なところに住む人がいて、色々な言葉を使っている。
中学生くらいの内に、「目的」を持つと言語も広がることや、身近にはない「言語学」「比較分類学」とかを知ることができるのは有用。英語だって「こうやって使いたい」という目的が持てないのに詰め込まれるから、嫌になっちゃうんだよ。
読了日:08月19日 著者:松村圭一郎,佐久間裕美子,丸山ゴンザレス
黄金の代償黄金の代償感想
久々の小説。やっぱりストーリーがあるとスピーディーに読める。そんなに捻りはなく、強烈なキャラクターも少ないが、主人公がまっとうで将来に展望が開ける結末だったので読後感はよい。
読了日:08月21日 著者:福田 和代
楽園のカンヴァス楽園のカンヴァス感想
アンリルソーの絵画を中心に、3つの時代を渡り歩きながら、絵を描くこと、絵を愛すること、絵を取り巻くあれこれが書かれている。3つのストーリーどれも面白くて一気読み。不思議な構図、緑の深さ、ルソーの絵を改めて観たくなった。
読了日:08月27日 著者:原田 マハ
もっと言ってはいけない(新潮新書)もっと言ってはいけない(新潮新書)感想
人種間の違いは、遺伝なのか環境なのか。遺伝としても固有のものではなく、長年(でもない場合も)の環境で変化していく。みんな横並びで目立たないことが美とされることは過剰に「自己家畜化」が進んだ日本ならではというのは納得できる。今後、更に小さな世界で縮こまって生きていくのか、それとも殻を打ち破って世界に出て行くのか。どちらが適していて幸せなのか。個々が考え選択できる世の中になるといいのだけれど。
読了日:09月03日 著者:橘玲
オオカミに冬なし―グリーンランドとアラスカとのあわい、ある不安な生活の物語オオカミに冬なし―グリーンランドとアラスカとのあわい、ある不安な生活の物語感想
自分の欲とか幸せとかを捨てて、人を救うために困難に飛び込むことに喜びを感じる、なんと高貴なことか。1964年に発行のせいか、翻訳がちょっと不自然なので、再翻訳したほうがよいと思う。でも、今の子供たちにはこの価値が伝わらないかもな~。
読了日:09月15日 著者:クルト・リュートゲン
ダーク・ブルーダーク・ブルー感想
最初専門用語の羅列で読みにくかったが、半分過ぎたら一気読み。エンタメとしては面白いけど、もっと犯人の背景や心情が書かれていたら。
文字で読むより、映画向きかも。
読了日:09月18日 著者:真保 裕一
流浪の月流浪の月感想
当事者には本人しか分からない気持ちがある。でも、人間は誰かに分かってほしいという気持ちもある。難しいなぁ。
世間とは戦い続けなければならないけれど、1人ではなくて2人になったことで救われたかも。
読了日:09月22日 著者:凪良 ゆう
サッド・フィッシュ 行動心理捜査官・楯岡絵麻 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)サッド・フィッシュ 行動心理捜査官・楯岡絵麻 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)感想
やっぱりシリーズものだったか。登場人物の背景が分からなかったものの、ここから読んでもちゃんと分かるストーリー。文庫1冊に4つも事件が入っているので、最後の一つを除いてあっさり解決が物足りない。飽きずに読みやすいけど。
読了日:09月27日 著者:佐藤 青南
ザリガニの鳴くところザリガニの鳴くところ感想
人間も動物なので、自然の中で生き延びるためには工夫が必要。自然をなるべく排除して文明の中で生きていくというのも一つだと思うが、自然に逆らわずに他の生物に倣って生きて行ったのがこの主人公。自分で選んだわけではなく、そうせざるを得なかったわけだけど、その中で生き抜いていく逞しさに驚嘆しそして応援しながら読み進めた。
読了日:10月02日 著者:ディーリア・オーエンズ
奈落奈落感想
う~ん、これは辛いな。意識がはっきりしているのに、それを伝えられない。周りの人は、何も分からないと思うから本音で接する。
世の中、救われないことは多々あるから、小説でめでたしめでたしとする必要はないけど、それだけなのも辛い。
読了日:10月07日 著者:古市 憲寿
サル化する世界サル化する世界感想
サルとは、朝三暮四のサル。長期的視点に立たず、目の前のことばかり考える。やっぱり、日本を長期的に考えるには、政治家が年寄だとダメだよね。自分が生きている間だけ良ければいいんだから。若い人の中で30年後50年後それ以降どんな世の中で生きて行きたいのか考えてくれる人は出てこないのかな。朝三暮四の教育ではそのような人材は育たないのか。う~ん、困った。
読了日:10月15日 著者:内田 樹
コープス・ハントコープス・ハント感想
心地悪さを感じつつ、一気に読んだ。ストーリーよりも心に残ったのはエピローグ。確かに極悪犯罪が発生すると原因を追究するけど、それは決めつけることによって楽になりたいからかもしれない。本当の原因なんて、生来のものも環境も複雑に絡んでいて一意には決められない。
読了日:10月17日 著者:下村 敦史
隠された悲鳴隠された悲鳴感想
もちろん、問答無用の非合法な話ではあるのだが、昔から伝わる文化・伝統でもある。成功とか繁栄、不幸からの脱却は、努力だけではなくて運とか環境とか本人とは離れたところも影響する。それを神や呪術師に頼るというのも分かるような気がする。文化の保存の線引きは難しい。現在の法国家だって人間が人間を裁く以上歪や矛盾は出てくるし。
読了日:10月24日 著者:ユニティ・ダウ
つみびと (単行本)つみびと (単行本)感想
読んでいてずっと苦しかった。どうすれば、このような事態を防げるのだろう。虐待の連鎖、助けてもらった経験がなければ助けを求めることもできない。解決策は見つからず、ただただ辛い。
読了日:10月28日 著者:山田 詠美
ワイルドサイドをほっつき歩け --ハマータウンのおっさんたちワイルドサイドをほっつき歩け –ハマータウンのおっさんたち感想
たぶん、あんまり冴えなくて小汚いおっさんを愛を持って描くことで魅力的に伝えている。日本人のおっさんも、愛を持って見れば案外かわいいのではないかな。
それにしても、たぶん私と同世代の英国人がすごく年寄に感じる(労働階級に限る?)。年金があるため働く必要がなかったり(これはある種羨ましいけれど)、健康保険等の医療費補助がないため?長寿国日本は、そこに支えられているのかも。そして、ビール離れ!ああ、英国お前もかという感じ。
読了日:11月04日 著者:ブレイディみかこ
ブラックウェルに憧れてブラックウェルに憧れて感想
女性がしっかりとした資格を持ち、男性と同等に働けると思っていた医学の世界。やっぱり、男性主体の世界で、入試不正があった際には医学関連の女性からも「仕方がない」という声が出ていたのにはびっくりした。世の中を変えることは中々できないけれど、各個人がどうすればやりたいことを実現できるのか、諦めずに行動する。「勇敢であれ」が心に響く。
読了日:11月10日 著者:南杏子
法の雨 (文芸書)法の雨 (文芸書)感想
身近で成年後見人が弁護士になる件が発生していたので、馴染みやすかった。しかし、なんであんなに使えない制度になっちゃんたんだろう。認知症の元裁判官が裁判になるとものすごくしっかりするのが違和感ありだけど、実際こんなものなのか。法律も人間が作り、裁くのも人間、最後は良心というあやふやなものに頼るしかないのかな。
読了日:11月13日 著者:下村敦史
カラハリ―アフリカ最後の野生に暮らすカラハリ―アフリカ最後の野生に暮らす感想
「ザリガニの鳴くところ」から、こちらへ。野生動物の生態を調査する困難さ、動物への愛情、文明と野生動物の共存の難しさがよく伝わった。今、カラハリはどうなっているのだろう。
読了日:11月23日 著者:マーク オーエンズ,ディーリア オーエンズ
神域 上神域 上感想
分かりやすいストーリー(今のところ)。再生医療だけでなく、あらゆる文明が進歩した結果が今の世の中だと思っているので人の欲望(長生きしたい、楽に生活したい、新しい発明がしたい)の先には不都合なことが出てくるのだろう。下巻へ。
読了日:12月02日 著者:真山 仁
神域 下神域 下感想
自分を救うためだけではなくて、このまま病気が進行して自分の言動が保証できなくなるのなら、今後の医療に役立てたいと自らを治験対象に申し出る人もいるのではないか。技術の進歩には、ひらめきや知識だけでなく権力と資金と欲望と安全すべてが必要。正義だけでは進まないという事は分かるけど、割り切れない気持ちも。
読了日:12月03日 著者:真山 仁
リプリー (河出文庫)リプリー (河出文庫)感想
ここを見て「太陽がいっぱい」の原作だったと知る。緻密には見えない主人公の行動に「じっとしてなよ」とイライラハラハラしながら読む。ホッとする間もなく不安感を持ちながら読んだので疲れた。結論がこうなっても、不安感を持ちながら生きて行くんだろう。
読了日:12月05日 著者:パトリシア ハイスミス
地球にちりばめられて地球にちりばめられて感想
確かに、なんでこんなに様々な言語があるんだろう。言語学という学問も面白そうと、言語と言えばプログラミング言語しか思いつかない理系には新鮮。バラエティに富んだ登場人物でどう物語が展開していくのか。続編へ。
読了日:12月11日 著者:多和田 葉子
星に仄めかされて星に仄めかされて感想
前作に更に登場人物が加わって、それぞれ母語(あるいは表現方法)が異なりその中で微妙な関係を形成するのにそれをすべて日本語で表す難しさ。
読みやすくはないけれど、頭の中で場面が繰り広げられて楽しんだ。さて、次の旅はいかに。
読了日:12月16日 著者:多和田 葉子
夜空に泳ぐチョコレートグラミー夜空に泳ぐチョコレートグラミー感想
物悲しい中に「生きる」ことの大変さと大切さが込められている短編集。受け入れてくれる人に出会うという事がどんなに重要か、新たな出会いが得られなくなっている今、そこにも危うさが潜んでいると思う。
読了日:12月17日 著者:町田 そのこ
かきあげ家族かきあげ家族感想
色んな具が入っていて、つなぎの量や温度が難しく、中々からりと上がらず重くなっちゃう「かきあげ」、言い得て妙だ。軽く、しかも味があって、読後感もからりと。
読了日:12月30日 著者:中島たい子

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