慌てて、去年読んだ本のまとめ。
1~3月で試験勉強してて、本断ちしていた割には読めたかな。移動と待ち時間の多い仕事だから。
ベストは、王とサーカス。理由は単純で、ネパールが舞台だから。
難民調査官も面白かった。
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読んだ本の数:53
読んだページ数:17547
ナイス数:578
森は知っているの感想
虐待を受けた子供たちが、どうやったら日々成長して大人になっていけるのか。こうしなければ、生きていけないのかと思ったら心が痛みます。その後の主人公を追うために、「太陽は動かない」に続きます。
読了日:01月28日 著者:吉田 修一
太陽は動かないの感想
森は知っているで、鷹野たちの背景を知っているだけに読んでいて切ない。スパイ物としては、びっくりする構成ではないけれど、スピード感あって面白かった。
読了日:02月03日 著者:吉田 修一
友罪の感想
先に読み進むのが怖かった。でも、根底に流れている性善説に共感する。実際にそのような場面に遭遇したらどうかはわからないけれど。
読了日:02月09日 著者:薬丸 岳
(055)貧困の中の子ども (ポプラ新書)の感想
親が悪いと言うのは簡単。でも、そう言ったところで、子供の可能性を環境で決められてしまっていいのか。必要なところに的確に支援がいく方法を考えないと。
読了日:02月12日 著者:下野新聞子どもの希望取材班
エアー2.0の感想
震災関係、辛い本が多い中、スカッと丸かじり。振り返るのも大事だけど、前に進むことも大事。いっくら合理的に考えても、非合理なことは起こるのだ。それでも前に進みたい。
読了日:03月18日 著者:榎本 憲男
ワイルド・ソウル〈上〉 (新潮文庫)の感想
全く語られてこなかったあれこれ、そのまま風化してしまえば、将来同じようなことが起こらないとも限らない。 復讐劇は今のところ痛快だが、それまでの話は酷過ぎる。
読了日:03月29日 著者:垣根 涼介
ワイルド・ソウル〈下〉 (新潮文庫)の感想
テンポよく一気に。酷い過去、その復讐劇、その渦に巻き込まれつつも成長していくひとりの女性。こういう形で過去の愚業を白日の下にさらすのはアリだと思います。
読了日:04月01日 著者:垣根 涼介
オールド・テロリストの感想
確かに、今覚悟を持って行動して行ける人って、戦争を経験した後日本を牽引して行った人たちなのかも。著者のこの手の作品は、最後にパワーダウンしてしまうことが多かったけれど、今回はまだマシかな。でも、最後もう一捻りあってもとも。
読了日:04月06日 著者:村上 龍
いまのはなんだ? 地獄かなの感想
子供は親をえらんで生まれてこない。親は、子供を産んだだけで親になれるわけではない。だから、何でもかんでも親のせいにするな、と思うけど。 最初のエピソードでちょっと不安はあったけど、やっぱりそうか…。
読了日:04月22日 著者:花村 萬月
消滅 – VANISHING POINTの感想
テロリストものにしては、なんか危機感がなく、会話も刺々しくないし、登場人物も何となく優しい。こういうテロものがあってもいいかも。 最後は、これでいいのか…。
読了日:04月27日 著者:恩田 陸
傷口から人生。 メンヘラが就活して失敗したら生きるのが面白くなった (幻冬舎文庫)の感想
今の就活って何なんだ?
就職って終職じゃないはずなのに、これに失敗したら一生台無しみたいな様相。大体会社だっていつ終わるかわからないのに。もっと気楽に仕事につける世の中にはならないのかなあ
読了日:05月06日 著者:小野 美由紀
象牙色の眠り (文春文庫)の感想
ふーむ、半分だけ当たった。
物わかりのいい女にはなるまいと、決める。
読了日:05月10日 著者:柴田 よしき
旅の闇にとける (文春文庫)の感想
九州の電車の旅、ミャンマーの気球や船の旅、中国の各都市と歴史、どれも未経験のもので、訪れたくなった。でも、もっと生々しいエピソードや視点があったら、もっと引き込まれていたかも。淡々とした視点はそれはそれでいいんだけど。
読了日:05月24日 著者:乃南 アサ
聖母の感想
色々ギリギリまで明かされないネタがあり、矛盾もあり、そして、猟奇的な母性愛。なんか、すっきりしない。
読了日:05月25日 著者:秋吉 理香子
王とサーカスの感想
ミステリーが主題ではない。もっと根源的な、人間の多面性とか、報道の影響力とか。ネパールに滞在していたので、その空気感を楽しめたのもプラス。
読了日:06月01日 著者:米澤 穂信
海は見えるかの感想
前編があるようだが、そちらは未読。東北大震災の被災者の子供達(主に)と阪神大震災に被災した教師との交流。子供達を支えられるほど大人は強いのか。そして、何が正しいのか。読みながら、考えたけれど答えは出なかった。まずは、考えるきっかけとなる本に感謝。
読了日:06月06日 著者:真山 仁
やせる石鹸の感想
確かに、世の中のデブ扱いは酷い。それは、自己管理をさぼっているという先入観があるからか。その中で、葛藤がありながらも前に進んで行く巨デブたちに拍手だった。
読了日:06月08日 著者:歌川 たいじ
辺境・近境 (新潮文庫)の感想
今となっては辺境という場所はほぼない状況の中で、自分の中での辺境を語っているというのが、伝わってきた。行けるところがいくつあるかは分からないけれど、同じ場所に立って自分の感じ方と比べてみたい。
読了日:06月22日 著者:村上 春樹
国境のない生き方: 私をつくった本と旅 (小学館新書)の感想
地球サイズに生きる、とか、地球に愛されるように生きるとか、目の前のあれこれに煩わされずにスケールの大きな生き方。いいなぁ。
読了日:07月02日 著者:ヤマザキ マリ
病み上がりの夜空にの感想
途方にくれながら、でも専門家として何とか療育していこうとする父親。家族だからできることが沢山ある一方で、家族だからできないこともあると、思うのは当事者じゃないからか。
読了日:07月07日 著者:矢幡 洋
熱波 (角川文庫)の感想
沖縄が複雑な状況なのはわかるが、米軍を出動させたり、民謡を踊って解決、と言うのはちょっと安易な展開では?まあ、スピード感あって楽しめましたが。
読了日:07月14日 著者:今野 敏
五分後の世界 (幻冬舎文庫)の感想
人間が「無知」を克服するためには、すごく多くの犠牲が必要、確かにそうなのかも知れない。いつもの過剰グロテスク表現には、多少辟易したけれど、根底に流れる考えは共感した。
読了日:07月24日 著者:村上 龍
世界地図の下書きの感想
嫌なこと、辛いことがあったら、逃げる。逃げることは別の行き方を見つけることで、新しい希望を見つけることで。って子供だけじゃなくて、今辛い大人みんなに伝えたい。
読了日:08月04日 著者:朝井 リョウ
エストニア紀行―森の苔・庭の木漏れ日・海の葦の感想
絶滅種を保護して放つ先は、人間の住めなくなった所。何よりも人間と言うか、経済が生態系にとって悪なのか。国とか民族とかなんて、ほんのちっぽけなものなのに。
読了日:08月17日 著者:梨木 香歩
バラカの感想
桐野作品なので、厳しい内容なのは覚悟の上。宗教、人身売買、人種差別、原発事故、と問題提起がてんこ盛りで絡み合っている。でも、問題の中心は、大人の都合で振り回される子供の不幸。フィクションとも言い切れず、スリリング。一気読みでした。
読了日:08月19日 著者:桐野 夏生
スクラップ・アンド・ビルドの感想
今までできたことが出来なくなっていき、子供には罵られ、身体中痛くなったら、「死にたい」と言いたくなるのもわかる。でも、人間の生の執着は凄いのだ、多分。若い男性からの視点で書かれているのが、新鮮。
読了日:08月22日 著者:羽田 圭介
難民調査官の感想
取り扱っているテーマが漠然としか分かっていない難民だったので、しっかり読み込む必要があったが、単純に難民を受け入れるべきとか、他の国と合わせるとかではなく、日本にとって最適な解は何なのか考えされられた。
読了日:09月02日 著者:下村 敦史
キッチンぶたぶた (光文社文庫)の感想
大人の童話?色んなぶたぶたシリーズがあるようだけど、私はこのシェフのぶたぶたさんが初対面。重いテーマの本の合間に、ほわっといい匂いがするような本だった。
読了日:09月04日 著者:矢崎 存美
君の膵臓をたべたいの感想
すべての行為は自分が「選択」してやってるんだ、と気づかせてくれる本。対象は高校生かもしれないけど、この本を「選択」したのだって、私の意志だからいいのだ。最初の1ページで、「人前で読むな」と警告してくれるのは親切。
読了日:09月06日 著者:住野 よる
予定日はジミー・ペイジ (新潮文庫)の感想
ジミーペイジに引っ張られて手に取り、そんなこともあったなあと、無性に焼鳥が食べたくなりながら読んだ。てっきりドキュメンタリーだと思っちゃった
読了日:09月08日 著者:角田 光代
くまモンの秘密 地方公務員集団が起こしたサプライズ (幻冬舎新書)の感想
ゆるキャラ全盛期に日本にいなかったので、何これ?と思ってたがくまモンは取っつきやすかった。コンセプトがしっかりしてて、オープンで、わかりやすい風貌が決め手?熊本地震に対する動きとして続編があるといいな。熊本行きたい。
読了日:10月11日 著者:熊本県庁チームくまモン
そして、星の輝く夜がくるの感想
先に続編「海は見えるか」を読んでしまったので、ベースはここなのね、と。子供は大人より先入観がない分強いということはあるかも、支えてくれる大人がいれば。
読了日:10月14日 著者:真山 仁
ガンルージュの感想
この作家は、かっこいい女性が好きなのか?この作品も2人の突き抜けてかっこいい女性が「あり得ない」活躍を。ドキドキすることもなく、痛快正義が勝つ話。
読了日:10月19日 著者:月村 了衛
山女日記の感想
山は、見えなかった部分が見えたり、その時しか見えないものが見えたり。山に向かう女心かな?テーマは。行きたい山が増えた。
読了日:10月20日 著者:湊 かなえ
ドミノ倒しの感想
この作者でも、こういうの書くんだ〜という驚き。悪くはないけど、署長はどうなったのか気になる。
読了日:11月02日 著者:貫井 徳郎
ブラック・ドッグの感想
テーマは共感を覚えないわけではないけれど、ちょっとグロいシーンが多すぎ。いい人もやられちゃうのがなぁ。
読了日:11月08日 著者:葉真中 顕
雪の練習生の感想
最初は、何これ?と戸惑ったがだんだんシロクマの気持ちに寄り添えるようになった。
読了日:11月14日 著者:多和田 葉子
虚人の星の感想
おもしろかったなー。最初はまた多重人格物か、と思ったけど、とっても上手に調理、さすが。こんな総理大臣熱望。
読了日:11月23日 著者:島田 雅彦
ミッドナイト・ジャーナルの感想
偶然、2作連続でこの著者の作品を。サスペンス絡みなので、こちらの方が読み応えある。どちらも特ダネを追い求めてトップの意向を無視する記者魂の塊が主人公。本当に職場にこういう人がいたら大変だけど、お仕事小説には不可欠。
読了日:12月05日 著者:本城 雅人
カルト村で生まれました。の感想
理想を実現させるには、それなりの制限が必要なのでしょうけれど、この本の目的は何なんだろう?
読了日:12月11日 著者:高田 かや
ムーンナイト・ダイバーの感想
残されたものが残されてよかったのかと振り返り申し訳なく思うよりも、生かされていることに感謝して前に進むべき、と伝えてくれる本。終わり方がいい。
読了日:12月14日 著者:天童 荒太
終わった人の感想
片足突っ込んだ立場としては、身につまされることは、沢山あったが、ここまでバッサリ書けるのは、やはり女性作家だからでしょう。品格ある衰退をして行くために、みんなあがくんだよね。
読了日:12月16日 著者:内館 牧子