ナマステ再び

ネパール滞在後の日常@主に日本です。

2024年に読んだ本

恒例の一年間に読んだ本。冊数は例年並みかな。相変わらず、乱読。長距離通勤がやめられないのは、読書タイムが得られるから。電車に座って本読むの好きだなぁ。仕事がなくなったり、全部オンラインになったら(そんな年もあったね)どうするんだろう。例年通り、ほぼ、図書館本。

面白かった本が多くて当たり年だった。読んだ本78冊中面白かったのが以下のリスト。リストの書名をクリックすると感想に飛びます。

2024年の読書メーター
読んだ本の数:78
読んだページ数:21782

チベット幻想奇譚チベット幻想奇譚感想
ヒマールを隔てた反対側(ネパール・ムスタン)でチベット仏教には触れたことがあって、チベットは行ったことがないけどお寺とか地域とかは勝手に想像しながら読んだ。中国の手が入ってからは、ずいぶん変わってしまったのだろうけれど、閉ざされた地域では自然界の不思議な出来事はお化けの仕業になってしまうのだろうし、お化けがいても不思議ではない雰囲気もする。幻想的で楽しかった。
読了日:01月08日 著者:星泉,三浦順子,海老原志穂
戻ってきた娘戻ってきた娘感想
日本の家族ものってもっと複雑に親も子も描かれているような気がするけれど、ここに書かれている家族と主人公の行動は割とシンプル。シンプルゆえに、ストレートに感情が伝わってくる。映画化もされるとのあとがき、ヨーロッパのモノトーン気味な主人公や家族の映像と開放的なイタリアの海岸の対比が目に浮かぶ。続編を読みたい。
読了日:01月13日 著者:ドナテッラ・ディ・ピエトラントニオ
ギフテッドギフテッド感想
ギフテッドの話だけではなく、子供の将来は努力だけでは決まらないという格差の話もあって、興味深かった。 多様性を認めて、平均的ではない子供の才能を伸ばすのは社会が成熟していないと。日本がそうなれる日が来るのかなぁ。特に都立という公立の学校でとんがった才能を伸ばすのは難しいと思うのだが。
読了日:01月15日 著者:藤野 恵美
黒い糸黒い糸感想
う~ん、どちらかというと苦手な種類の話。物事の考え方は遺伝なのかもしれないが、育ち方というような気もするし。次々に人が死んだり傷ついたりしていくし。そして、ラストの余韻も。。。怖いよ。
読了日:01月19日 著者:染井 為人
夜明けのはざま (一般書)夜明けのはざま (一般書)感想
イチかゼロかじゃなくて、その間のどこかにすることができるものもあるし、どうしてもイチかゼロにしかできないものもあると思う。後者を無理しても、結局破綻が来るんだろうな。人は死ぬ。いつかは分からない。だから、したいことをして、会いたい人には会わないと。いい話だった。
読了日:01月21日 著者:町田 そのこ
本棚には裏がある本棚には裏がある感想
世の中にはたくさん本がある。それらの本を関連付けて紹介するのはさすが。数冊の既読本と多くの気になる本。読みたいリストにどんどん入れた。海外本も多いのがうれしい。
読了日:01月30日 著者:酒井 順子
サクラサク、サクラチルサクラサク、サクラチル感想
題名から受ける印象よりもずっと重い内容で、読むのが苦しくなる。虐待やネグレクトを受けている子供は自覚がないというのもよく伝わった。とすると、やはり人との出会いしか救いはないのか。現実にはそういう出会いがなくて苦しんでいる子供たちが沢山いるのだろう。 最後は甘めに終わるのが救い。
読了日:02月02日 著者:辻堂 ゆめ
鉄道小説鉄道小説感想
鉄道開業150年を記念したアンソロジーと言うことなので、がっつり鉄道話かと思ったら、どれもさりげなく鉄道が関わってくる話で、それがよかった。ホラーだったり、ファンタジーだったり、知ってる町だったり、知らない町だったり。楽しかった。
読了日:02月04日 著者:温 又柔,澤村 伊智,滝口 悠生,能町 みね子,乗代 雄介
QQ感想
嫌いなテイストではないのだけれど、ダンスや歌や美で、あるいは人で、心を鷲掴みにされて、そのためには自分を捧げられるという気持ちが共感・想像できなかったので没入できず。第3章の疾走感がうまく映像化できたら、ステキそう。ベース効かせて。
読了日:02月15日 著者:呉 勝浩
あなたの燃える左手であなたの燃える左手で感想
日本が日本じゃなくなると考えたこともないし、自分のどこかに他人のものが変わるという経験もない身としては、共感するのは難しかったが、確かに境界と言う点で共通なのかと納得したし、新鮮だった。日本人は自分のことと自分の周りのことだけ考えればいいから、内向的になるのかもしれない。
読了日:02月20日 著者:朝比奈 秋
インド夜想曲 (白水Uブックス 99 海外小説の誘惑)インド夜想曲 (白水Uブックス 99 海外小説の誘惑)感想
インドへの想いが高まる本。ミステリアスで何があっても不思議じゃないような。底辺はどこまでも低く、アッパーはどこまでも高く。異文化を楽しめた。いつ行けるだろうか、インド。
読了日:02月21日 著者:アントニオ タブッキ
私たちの世代は私たちの世代は感想
コロナ渦が小学生だった子供たちにどんな影響をもたらしたか。身近にいないのであまり想像ができていなかった。確かに一旦学校に行けなくなったことで、バランスが崩れ日常に戻ることは大変だったはず。今もつらい気持ちでいる子供たちも多いことだろう。その結末を暗くしないのが、瀬尾さん。素敵な人と出会うことで立ち直れる。この本に出会うことでも立ち直れると思う。
読了日:02月27日 著者:瀬尾 まいこ
タガヤセ!日本 「農水省の白石さん」が農業の魅力教えます (14歳の世渡り術)タガヤセ!日本 「農水省の白石さん」が農業の魅力教えます (14歳の世渡り術)感想
中学生向けの本のようだが、大人が読んでも十分面白いし勉強になる。政治家は票集めのために農家を使わず、10年後20年後の日本の食料事情を考えて政策を考えてほしい。 私たちも、きちんと選ぶ目(農作物、政治家とも)を持たなければと思った。このように子供たちに農業の現状を伝え、興味を持ってもらうことは大切だ。
読了日:03月01日 著者:白石 優生
野生の樹木園野生の樹木園感想
まだ見ぬイタリアの山すそ(中腹?)に住む著者の庭にある木を中心にそれにまつわる物語や歴史など。 馴染みのある木もあれば、名前しか聞いたこともない木もあるが、すっと聳え立ち、人々の営みを見守っている様が思い浮かぶ。ぜひ訪れて目にしたい、木々も山々も。
読了日:03月05日 著者:マーリオ・リゴーニ・ステルン
ここが終の住処かもねここが終の住処かもね感想
年を取って移住したらこんなに大変だったという話は聞くが、年取ってからの一人暮らしをポジティブに描いているところがいい。ちょっとだけ仕事もあって、同じ住処の人との距離はほどほどで、それでも色々起こりつつ、それが刺激にもなり、自然に囲まれながら過ごすってパラダイスでは?それは、人のキャラクタにも寄るのかも。お話だけかもしれないけれど、こんな風に楽しく過ごせたらなと憧れる。(でも、女って性格はずっと変わらないんだよね~)
読了日:03月07日 著者:久田 恵
知っておきたい! インドごはんの常識:イラストで見るマナー、文化、レシピ、ちょっといい話まで知っておきたい! インドごはんの常識:イラストで見るマナー、文化、レシピ、ちょっといい話まで感想
きれいなイラストで見ているだけで楽しい。大きな国土を持つインドなので、地域によって特色もあり。最近は、日本にも、カレーではなく「インド料理」のレストランも増えてきた。それなりに高級な様相。現地でも、格差があるんだろうなぁ。現地で食べたい。
読了日:03月15日 著者:パンカジ・シャルマ
西南シルクロードは密林に消える (講談社文庫 た 116-1)西南シルクロードは密林に消える (講談社文庫 た 116-1)感想
高野さんの本は時々読みたくなる。現実逃避できるから。ノンフィクションだし、かなり危機的状況の繰り返しだが、タッチが明るいし、この記録が書かれているということは無事に戻ってこれたことは明らかなので、ちょっと気分は楽。世界には色々なところがあって、わざわざそんなところに行く人もいるんだなぁと呑気に読むのが最高。
読了日:03月19日 著者:高野 秀行
わたしに会いたいわたしに会いたい感想
他人からの見え方を通して自分を見ている女性たちが、乳がんを経ることによって自分で自分を見るようになっていく。でもそこに至るまでには、がんを罹患したことのショックや乳房を失うこと、治療の苦しさなど数々の段階があったことだろう。どの女性たちも前向きになっているのがいい。著者の葛藤を乗り越えての境地なのかな。
読了日:03月25日 著者:西 加奈子
旅鉄HOW TO 002 60歳からのひとり旅 鉄道旅行術旅鉄HOW TO 002 60歳からのひとり旅 鉄道旅行術感想
大人の休日俱楽部に入会したものの中々出かけられずモヤモヤ。「60歳からの」は十分クリアしているけど、「平日出かけられる」にはもうちょっと。自由に「平日出かけられる」ようになったら、それはそれで出かけないのかな?お勧め路線とか、近郊での日帰り鉄道旅など、読んでいてワクワクした。
読了日:03月25日 著者:松本 典久
君は医者になれない 膠原病内科医・漆原光莉と血嫌い医学生 (メディアワークス文庫)君は医者になれない 膠原病内科医・漆原光莉と血嫌い医学生 (メディアワークス文庫)感想
本当に血をみて卒倒してしまうような人が医者になれるのだろうか?という疑問には答えていない。それは続編に期待なのかな。でも、図書館には2はないので、しばし待つ。 患者に寄り添うことが一番大事なことではないのだと知ったのが収穫。
読了日:03月31日 著者:午鳥志季
芸能界芸能界感想
芸能界にはあんまり興味がないからなぁと思いながら、プライバシーを売り物にしなければならないし、次から次へと新しい人は来るし、周りは勝手なこと言うし、難儀なお仕事と改めて思う。しんどい話とちょっといい話のバランスがいい感じ。
読了日:04月05日 著者:染井 為人
祖母姫、ロンドンへ行く!祖母姫、ロンドンへ行く!感想
古き良きロンドンなのかな。そして、それに相応しくふるまえるおばあちゃん、ステキです。 孫娘が振り回されつつ、色々な大切なことを学んで成長していく様が楽しかった。そして、いい年になっても卑屈になりがちな自分を反省した。
読了日:04月05日 著者:椹野 道流
みんな彗星を見ていた 私的キリシタン探訪記みんな彗星を見ていた 私的キリシタン探訪記感想
何年か前に長崎に行ったとき、何がかくれキリシタンたちの心の支えになっていたのだろうかと思って不思議だった。殉教が究極の信仰の形だったとは。そして、美談の陰に恐ろしい迫害があったことはあまり知らされていないが、日本人も十分残酷であることが明確になった。 事実を追っていく様子が興味深かった。リュートを聴いてみたい。
読了日:04月11日 著者:星野 博美
6ヵ国転校生 ナージャの発見6ヵ国転校生 ナージャの発見感想
ロシア、日本、イギリス、フランス、アメリカ、カナダの地元校で教育を受けた著者が教育の違いを冷静に観察し、ポジティブに良いところを見つけているのがすごい。こうやってみると、日本の教育ではクリエイティブな発想は生まれにくいのがよく分かる。
読了日:04月14日 著者:キリーロバ・ナージャ
ボーダー 移民と難民ボーダー 移民と難民感想
留学生の就職支援に興味があって、そこから移民、難民に広がってきた。留学生が日本で就労を希望しても語学的な問題もありビザの問題もあり中々就職できない。その中で介護など目の前で必要なことをしてくれるなら、という短絡的な抜け道を作っている。この本を読んで、日本政府が短期的な視野しか持たず自分たちにとって都合のいいことだけをしようとしていることが明確になった。知って声を上げて行動しなければと思う。
読了日:04月14日 著者:佐々 涼子
未明の砦未明の砦感想
やっぱり、この著者は骨太。今回もしっかり引き込まれました。今の日本に幻滅するし、将来の日本も絶望的。まさに今、非正規の継続ができない問題の渦中で半年お休みの仕事口もあるし、それを避けるための受託にも関わっているので他人事じゃなかった。色々声を上げないといけない。
読了日:04月21日 著者:太田 愛
ガラム・マサラ!ガラム・マサラ!感想
インドについてはよく知らないけれど(知らないからか)、なるほど、こういう風になら格差社会を乗り越えていくし、こういう風じゃないと乗り越えられないのかとも思う。悲惨なんだけれど、コミカルでRRRなみの映像を頭の中で描き、ところどころダンスシーンを妄想で挿入しながら読んだ。コミカルな表現の日本語訳がちょっと辛かった。
読了日:04月24日 著者:ラーフル・ライナ
100歳まで生きてどうするんですか? (単行本)100歳まで生きてどうするんですか? (単行本)感想
世の中、100歳まで生きると言うし、元気でいるための方法やサプリなど満載だし、でも別にそんなに長生きしなくていいよと思っているので「どうするんですか?」を知りたくて手に取った。思っていた内容ではなく波乱万丈の人生を送っている著者の生き方、死に対する感じ方だったが、それはそれで面白かった。まさに最後に書いてある何歳で死ぬとしても「死ぬまで毎日楽しく生きられたらそれでいい」のだと思う。今日も楽しく生きられますように。
読了日:04月28日 著者:末井 昭
「ピアノを弾く少女」の誕生: ジェンダーと近代日本の音楽文化史「ピアノを弾く少女」の誕生: ジェンダーと近代日本の音楽文化史感想
「ピアノを弾く少女」が日本でどのように生まれ、継続しているのかを追っている。私は著者の同い年であるが、まさに新興住宅地においてクラスの大半の女子がピアノを習っている時代だった。戦後の何もない時代に育った母の憧れと良家に嫁ぐための嫁入り道具だと自分自身は思っていたが、明治から育まれていたものであり、性別役割分担やジェンダーのねじ曲がりで紆余曲折があったものだったとは。もっと現代に近いところも知りたかった。
読了日:05月10日 著者:玉川裕子
ラウリ・クースクを探してラウリ・クースクを探して感想
エストニアはIT先進国として知られている。そこで生まれた天才的主人公がストレートにITに関わるわけではなく、生まれ・育ち・世の中の動き・人間関係から紆余曲折がある。そこが面白いのだが、つくづく思うのは子供の才能を見つけ守り育める指導者に巡り合うことの重要さ。メインテーマではないのだが、心に残った。
読了日:05月14日 著者:宮内 悠介
N/AN/A感想
多様性とは言え、多様な何かにカテゴライズされたくない、自分は自分だと思うけれど、他人にはカテゴライズしてしまいそうになるし、思い込みも激しい。それは、若者特有の…とまたカテゴライズしそうになるが、年齢に関係なく多かれ少なかれ誰にもありそうな気がしてきた。短編ながら、的確。
読了日:05月16日 著者:年森 瑛
生成AIで世界はこう変わる (SB新書 642)生成AIで世界はこう変わる (SB新書 642)感想
最新の情報を得たくて手に取った。かなり分かりやすく書いてあるし、著者の予想も興味深い。とにかく、進歩のスピードが速すぎて専門家でもこの先どのように発展していくのか分からないのが恐ろしいし、面白い。アウトプットの取捨選択は人間が行っていくし、人間をケアするのは人間がいいと思うのなら、人間に最後に残る仕事は人間を世話することなのかも。
読了日:05月24日 著者:今井翔太
カニカマ人生論カニカマ人生論感想
カニカマってそういう意味だったのかぁ、で感心する。着眼点とか技とかももちろん真似できないけど、行動力もすごい。面白いと思ったらすぐにやってみる、行ってみる。さすがです。楽しい読書タイムだった。
読了日:05月27日 著者:清水 ミチコ
愛と狂瀾のメリークリスマス なぜ異教徒の祭典が日本化したのか (講談社現代新書 2401)愛と狂瀾のメリークリスマス なぜ異教徒の祭典が日本化したのか (講談社現代新書 2401)感想
一つの見方としてこれもあるかも。確かにキリスト教は1つの神をだけを信じろと言ってくるが、八百万の神を信じる日本人には、せめてその一つとして入れる程度じゃないと受け入れてもらえなさそう。でも、西洋の文化を取り入れないわけじゃないよと独自の価値観でクリスマスを祭りにしちゃい、時代とともに祭りを変えていくのも日本的。
読了日:06月08日 著者:堀井 憲一郎
国籍の?(ハテナ)がわかる本─日本人ってだれのこと? 外国人ってだれのこと?国籍の?(ハテナ)がわかる本─日本人ってだれのこと? 外国人ってだれのこと?感想
多文化共生の講座で紹介された本。子供向けで薄い本で、読みやすく分かりやすい。知っているようで知らない国籍について明確に。ホント、日本って純血主義なんだなあ。
読了日:06月10日 著者:木下 理仁
百年の子百年の子感想
子どもと女性の人権の歴史はたった百年。とあるが、今人権が守られているのかどうか、この先どうなるかは今生きている私たち次第だ。言論統制と、女性の生き方がクロスしてどちらも面白かった。私も「小学〇年生」で育ち、その成分でできているところがあるな。
読了日:06月12日 著者:古内 一絵
SchoolgirlSchoolgirl感想
表題作の母娘の関係はAIとかYouTuberとか色々ツールは入ってくるけど不変の関係かも。母のあれこれが気に入らないが、離れることはできない。悪い音楽のストーリーは分かりやすいけれど、読んでて頭に音が流れて来ず、ちょっと欲求不満。
読了日:06月16日 著者:九段 理江
子供が王様 (海外文学セレクション)子供が王様 (海外文学セレクション)感想
フィクションだけれど、ノンフィクションになりそうな予感がする話だった。インターネットが身近なものになってまだ歴史は浅い。誰にでも手が届くSNSの影響なんかまだまだ分からない。確かに子供は意思とは無関係にネット上に登場しているが、それが将来にどうつながるのか。そして、高評価を得るために際限なく時間やネタを追求していく姿勢も脅威である。
読了日:06月25日 著者:デルフィーヌ・ド・ヴィガン
コンタミ 科学汚染コンタミ 科学汚染感想
内容は、題名のコンタミ(科学汚染)ではなくて、非科学汚染のような?まあでも、人間って正しいから救われるのではなくて、信じるから救われるんだろうなぁ。子供には正しい知識を教育しなきゃと思うけれど。
読了日:07月03日 著者:伊与原 新
われは熊楠われは熊楠感想
研究対象を極めるのではなく、「己を知る」ために研究を進めるための苦しさがみえた。確かに変人で周りの人は大変だったと思うが、本人も自分をコントロールすることができず辛かったのが伝わってきた。でも、これだけ周りの人がサポートすると言うことは人間的にも魅力があったはず。それが私にはちょっと読み取れず残念。
読了日:07月05日 著者:岩井 圭也
カレー移民の謎 日本を制覇する「インネパ」 (集英社新書)カレー移民の謎 日本を制覇する「インネパ」 (集英社新書)感想
2年3か月滞在して、すっかりネパール贔屓となった私だが、ネパール料理ではなく、ネパールではほぼ見ない巨大ナンとカレーとオレンジ色のドレッシングサラダをネパール人が提供しているのが謎だったし、小さな地域にいくつも存在し時々名前が変わるのも不思議だった。この本である程度謎が解明。でも、本当のネパール人の定食「ダルバート」をもっと広めてほしい。案外日本人も好みそう、映えないけど。
読了日:07月10日 著者:室橋 裕和
風に立つ (単行本)風に立つ (単行本)感想
家族は距離が近いけれどその気持ちは見えないとか、きちんと話さないと分からないとかがテーマなのだろうけれど、岩手の風景や風土が印象に残った。柚月さんの出身地なんですね。
読了日:07月12日 著者:柚月 裕子
なんどでも生まれる (一般書)なんどでも生まれる (一般書)感想
一つ前に読んだ本では「話さなければ分からない」がテーマだったのだが、これは「話せなくても分かる」話。言葉がなくても傍にいることで安心する関係が心地よかった。どちらにしても、見守ってくれる人(鳥)がいると言うことが大事なんだろう。
読了日:07月13日 著者:彩瀬 まる
私労働小説 ザ・シット・ジョブ私労働小説 ザ・シット・ジョブ感想
シットジョブという言葉を知らず、なぜ日本でこの言葉が広がらないのかを考える。医療介護福祉の仕事は大変だしなくてはならない皆がお世話になるものなのになぜか低賃金。それは、誰でもできるから?いや、誰でもできないだろう。シットとせずに感謝のオブラートで包んでも何も変わらない。見えなくするのが日本は得意だ。
読了日:07月24日 著者:ブレイディ みかこ
たびにでよう (単行本絵本)たびにでよう (単行本絵本)感想
スロヴァキア在住の作者の描いた絵本と言うことで、発想や画風が日本ぽくないな、と思ったら、これから留学に向かう前に描いたとのこと。日本で描いたんですね。そして、異国に向かうドキドキとワクワク、ビックリするようなことが起こっても楽しめるという気持ちが伝わってきました。言葉は少ないけど絵で伝わって楽しい気分になりました。
読了日:07月26日 著者:降矢 なな
死ぬまでに行きたい海死ぬまでに行きたい海感想
「死ぬまでに行きたい海」ってどんな海?興味津々で読んだら、全然タイトルと違う内容で啞然。海とは全然関係なくて(ちょっと海の話もあるけど)、実際に作者が行った場所について、想いや思い出や空想や現実が一緒になった文章が産み出されている。一緒に時間空間を巡った感じがして、楽しかった。
読了日:07月26日 著者:岸本 佐知子
カモナマイハウス (単行本)カモナマイハウス (単行本)感想
悪い人は出てこない。それぞれのキャラがいい味出している。女性は強い。私自身は家にあまり思い入れはなく、親は自分で処分したのでその点では共感はできなかったのだけど、マッチがいい味出していて楽しかった。そして、明るいセブンを目指したい。
読了日:07月31日 著者:重松 清
カメのえんそく―イギリス民話 (おはなしのたからばこ 4)カメのえんそく―イギリス民話 (おはなしのたからばこ 4)感想
最初に紙芝居を読んで、ちょっとシュールすぎる結末なので疑問に思ってこちらを読んでみた。やっぱり、最後は紙芝居オリジナルだったんだ。にしても、カメ=のんびり、ゆっくりのイメージ。うちのカメたちはジタバタかなりせわしないんだけど。
読了日:08月06日 著者:新沢 としひこ
対決対決感想
医学部入試の女子差別が主題。女子には物理的にできない力仕事などもあるから、と当時も言われていた。ならば、堂々と定員を男性〇人、女性〇人と明記すればいいと思う。医療ロボットなどがもっと発展すれば物理的な差は減ってくるのかな。ジェンダーの問題については、男性の意識改革も必要だけど、女性の意識の差も大きいと言うのは同意。何年たっても変わらないんだなと思う一方、私も戦わずにかわしてきた口なので自分も加担してきたと反省。
読了日:08月06日 著者:月村 了衛
無人島のふたり: 120日以上生きなくちゃ日記無人島のふたり: 120日以上生きなくちゃ日記感想
余命宣告されてからの日記。もちろん、書けないこともいっぱいあるのだろうけれど、心が揺れ動きながらその日に向かっていく様を読めたのは私にとって大切な経験だった。自分がいなくなった後の世界は想像するのもしんどいもの。心も体も辛いはずなのに、周りの人の気持ちを考えられるところを見習いたいけど、そうなってしまったら難しいだろうな。
読了日:08月23日 著者:山本 文緒
ゴリラ裁判の日ゴリラ裁判の日感想
発想も楽しいし、結末も楽しい。これをジャングルとは馴染みのない(よね?)日本人が書いたというのも、驚き。人間って何?という本質を考えさせられ、結局大したもんじゃないんだなと気づかされる。面白かった。
読了日:08月28日 著者:須藤 古都離
法廷占拠 爆弾2法廷占拠 爆弾2感想
決して、気持ちのいいストーリー展開ではないのだが、目を離せず一気読み。タゴサクと奏多との違いは、情がないかあるかなのか。そして、タゴサクとルイケは同類?これで第3作は確約されたものだと思うが、皆の期待が高まる分ハードルは上がるよね。期待してます。
読了日:08月31日 著者:呉 勝浩
首木の民首木の民感想
刑事ものでもミステリーでもないですね。でも、佐久間係長をはじめとする志村警察署の魅力あるメンバーがいなければ、読み終わることはできなかったと思う。やっぱり日本人は自分も含め呑気だと。自分が収めた税金がどういう仕組みになっているかは知らなきゃだな。
読了日:09月10日 著者:誉田 哲也
世界でいちばん虚無な場所 旅行に幻滅した人のためのガイドブック世界でいちばん虚無な場所 旅行に幻滅した人のためのガイドブック感想
確かに地名って名付けた人の背景や経験が反映される。歴史や地形もあるだろうが。一時繁栄した土地が廃墟になっている箇所は日本にも多々あるが、名前を付け替えずに繁栄した気分がそのままになっているのは哀しい。なんで、著者はこんな場所ばかりを見つけてまとめたんだろう。
読了日:09月10日 著者:ダミアン ラッド
戦争は、戦争は、感想
当事者じゃない限り戦争は良くないって誰もが思っていると思うんだけどなくならないのは何故かという疑問には答えていない。どうしたら止められるのかは分からない。不安と恐怖をひたすら与えてくる。
読了日:09月25日 著者:ジョゼ・ジョルジェ・レトリア
翼っていうのは嘘だけど翼っていうのは嘘だけど感想
昔から変わらない背伸びしてちょっと派手で悪いことをするグループに入るという青春の一コマにネットが絡むと内輪が外輪になってしまうという恐ろしさがよく伝わった。主人公の生命力が強くてよかった。この後、どのように生きていくんだろうか。自然の中の自分の存在とか、自分は自分であるとかを感じた後に。
読了日:09月25日 著者:フランチェスカ セラ
地雷グリコ地雷グリコ感想
ルールは誰でも知っているゲームにちょっとおまけをつけてこんな話にしちゃうとは。楽しすぎる。面白すぎる。 登場人物の名前にも何か仕込みがあるのかな?
読了日:09月30日 著者:青崎 有吾
それは誠それは誠感想
なぜか、高校生モノが続いて、それぞれ方向性が違って良かった。これは、正統派かな。あーだこーだと考えながら開き直れない高校生と、偶然一緒になることになった同級生の関係が言葉や行動で表されている。これは映像ではなくて、文章で読んで味わいたい。
読了日:10月06日 著者:乗代 雄介
あなたを待ついくつもの部屋あなたを待ついくつもの部屋感想
何にもこの本に対する情報を知らなくて、読んでしばらくして気づく。「小さいころにはよく…」とか「記念日には必ず…」とか、そういう人が読むお話なのね。 しかし、そういう背景がある中で、これだけのバリエーションが書けるのは流石。そして、ロビーしか行ったことのない私に行ってみたいと思わせるのもさすが。上高地のここ、行ってみたいな。
読了日:10月07日 著者:角田 光代
それはわたしが外国人だから?――日本の入管で起こっていることそれはわたしが外国人だから?――日本の入管で起こっていること感想
難民、移民を多く受け入れている国で問題が発生しているのも事実。特に日本は島国で内向きに考えてしまいがち。でも、人手不足の解消には外国人をたくさん利用するのに、自国に帰れない事情に対応しないのは自分勝手だよなぁ。 問題点に気づいたときに、何ができるか考えそれを実行する著者に拍手。
読了日:10月13日 著者:安田菜津紀,金井真紀
台北プライベートアイ台北プライベートアイ感想
10月7日はミステリーの日だそうで、それに因んで図書館でミステリー特集が組まれており、その中から見つけた本。 犯人の動機は今一つピンとこなかったが、主人公の切れがあるようなないようなキャラは楽しめた。主人公の周りの人たちもいい味を出している。台北の下町を想像しながら。
読了日:10月18日 著者:紀 蔚然
じい散歩 妻の反乱じい散歩 妻の反乱感想
自分の夫がこの「じい」だったら腹が立つのだろうけれど、こうやって本を通せば、自分勝手ながら妻の介護もし、役に立たない子供たちにも寛容で、自分の世界も持ち、中々いいじいさんのように思える。じいの最後は読みたくないなぁ。
読了日:10月20日 著者:藤野 千夜
ソーシャルジャスティス 小児精神科医、社会を診る (文春新書 1406)ソーシャルジャスティス 小児精神科医、社会を診る (文春新書 1406)感想
馴染みのない英語が多用されるので読みにくかったが、日本語にはなりにくい言葉と言うことで、結局日本には存在していない概念だったり行動だったりするのだろう。 理想の女性をしずかちゃんとする日本。私には女の子がいないのだが、いたらどういう風に育てていくか難しい。私が思うように育てたら、日本には住みにくくなってしまうだろう。戦うより、逃げる。私もそれがいいように思う。各自人生は一度きりだから。難しいけれど、ここで示されたことを心において行動していきたい。
読了日:10月29日 著者:内田 舞
改訂版 インドのことがマンガで3時間でわかる本 (アスカビジネス)改訂版 インドのことがマンガで3時間でわかる本 (アスカビジネス)感想
インドに旅行する予定なので、ちょっと知っておきたいと思って手に取った。「マンガで3時間で」とあるが、マンガは少なくしっかり文字で説明を読むと3時間では終わらない。インドに進出しようとする企業とか、駐在する人とか、インド企業で働く人とかにも役立つしっかりした内容だった。図書館本で約10年前発行なので今とは違うよなぁと思ったら、今年発行のものがあるのに気づいた。読み較べてみよう。
読了日:11月01日 著者:関口 真理,中島 岳志,辻田 祐子,三輪 博樹,繁田 奈歩
笑うマトリョーシカ笑うマトリョーシカ感想
タイトルが上手。でも、その意味はかなり読み進めないと分からない。怪しい人がどうつながっていくのか、気になってワクワクしながら読み進めた。本物でもニセモノでもいいから、政治家は国民のために働いてほしい。主人公は、この先どうなるんだろう。
読了日:11月05日 著者:早見 和真
鼓動鼓動感想
親の年代なので親目線で見ると、どの親も悪くなくて一生懸命なのが分かる。一生懸命だけど、できないこともある。親が悪いと簡単に言うけれど、親だって訓練されるわけでなし適性があるからなるわけでもないんだから。でも、だからと言って子供が楽になるわけでなく、どちらも救われない。ミステリーで事件は解決するけれど、問題の本質的な解決方法は見つからないもどかしさが残る。
読了日:11月10日 著者:葉真中顕
マザーマザー感想
包み込む、何を言っても受け入れる、などというマザーのイメージは幻想なのだ。子供も夫(夫のマザーではないのに!)も勘違いしている、と言うのをマザマザと(ダジャレではない)読ませてくれる。気持ちよかった。
読了日:11月14日 著者:乃南 アサ
鬼の話を聞かせてください鬼の話を聞かせてください感想
タイトル通り、鬼ごっこや鬼が付く単語にショートストーリを結び付けているが、無理やり感が否めない。聞き手が替え玉になっている理由もよく分からず、もやもやが消えずに終わった。
読了日:11月17日 著者:木江 恭
藍を継ぐ海藍を継ぐ海感想
世代を越え、住む地域を越え、性別を越え、時代をも越えて科学的知見を追う人たちの結びつきが今回も良かった。現実はもっとドロドロしたものも絡んでくるのだろうけれど、伊与原さんの作品は暖かい人ばかりで心地よい。
読了日:11月19日 著者:伊与原 新
パッキパキ北京パッキパキ北京感想
ぶれない価値観が気持ちいい。周りを気にせず、「自分は勝つ」と決めているところ。北京にあっていると思うけどな。なんで夫さんと結婚したのかが謎だった。
読了日:11月22日 著者:綿矢 りさ
家族解散まで千キロメートル家族解散まで千キロメートル感想
ミステリーにしても、家族論にしても、ちょっとややこしくし過ぎた感じがする。十和田まで行く過程は、楽しめたけど。常識に囚われずにそれぞれの家族を作ればいいと思うし気持ちが離れているのに家族至上主義でつなげておく必要もないとは思うけどね。
読了日:11月25日 著者:浅倉 秋成
わたしは13歳 今日、売られる。: ネパール・性産業の闇から助けを求める少女たちわたしは13歳 今日、売られる。: ネパール・性産業の闇から助けを求める少女たち感想
ネパールに2年3か月首都近くに住んでいて、このような話を現地に住んでいるネパール人から聞いたのは1回だった。この本にあるように現地の人でも知らない人は知らないのだと思う。確かにタマン族の女の子は優しい顔立ちで可愛らしいのでターゲットになりやすいのは分かる。知識がないためにこのような被害にあう少女が減るように教育していくのは大切。何かの形で応援したい。
読了日:11月28日 著者:長谷川まり子
音を視る、時を聴く[哲学講義] (ちくま学芸文庫 オ-7-2)音を視る、時を聴く[哲学講義] (ちくま学芸文庫 オ-7-2)感想
確かに言われてみれば、今とは何か、思い浮かべるとは何か、分からない。こういうことを追求するのが哲学なんだなと。ただ、1982年発行の本書、アナログ中心なのだが、40年を経て音は生で聴く以外すべてデジタルで、すでに切り取られている状況。案外音を視ることが簡単になっているような気もする。(だから、視えなくなっているものもいっぱい)12月21日から始まる展覧会の前に読んでみた。
読了日:12月06日 著者:大森 荘蔵,坂本 龍一
ジェンダー・クライムジェンダー・クライム感想
腹立たしいと言うか、哀しいというか、やりきれない性犯罪。その惨さに気づかない非当事者。メインの刑事さんたちがいい人でやりきれなさが救われたけれど、この手の犯罪はなくならないんだなぁ。
読了日:12月10日 著者:天童 荒太
私の盲端私の盲端感想
「私の盲端」少なくない人がこういう状況で日常を送っていることに気づく。それでも、日常生活が送れることに感謝するのか、自分の運命を忌むのかその葛藤がリアルだった。「塩の道」終末医療について、地方での選択のなさはやりきれないが、選択がないからこその割り切りもあることが伝わった。
読了日:12月14日 著者:朝比奈 秋
わたしの知る花 (単行本)わたしの知る花 (単行本)感想
悲しいことは沢山あるが、この作者さんは最後にはほっとさせてくれるのが良い。やっぱり人生を変えるのはインドなのね、と本筋とは違うところに反応。
読了日:12月20日 著者:町田 そのこ
旅の賢人たちがつくったインド旅行最強ナビ旅の賢人たちがつくったインド旅行最強ナビ感想
インドに旅行した人たちの武勇伝みたいでとっても面白かった。来年初インド(ただの5日間のツアーだけど)なので、ドキドキしながら読んだ。彼らのような勇気ある(無謀な?)行動はできないけれど、P17のインドに向いているリスト、10個は当てはまったので楽しめるかな?
読了日:12月26日 著者:
マンガ ぼけ日和 矢部太郎が認知症患者と家族の日常を描いた、初の単行本書下ろし作品!マンガ ぼけ日和 矢部太郎が認知症患者と家族の日常を描いた、初の単行本書下ろし作品!感想
親のことだけじゃなく自分のことも考えながら読んだ。実際に目の当りにしたら落ち着いてはいられないだろうが、ちょっとこんなマンガで知識が入っていると対応が変わると思う。読んでよかった。
読了日:12月26日 著者:矢部 太郎

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