前から楽しみにしていた展覧会。坂本龍一が生前この美術館のために残した展覧会構想を軸に音と時間をテーマに構成されたものだそうだ。
以前、どこかの美術館か博物館かでチラシをみて、このタイトルとなっている「音を視る 時を聴く」の元に多分なっている同名の「哲学談義」という小難しい哲学の本も読んでみた。
この本は、過去や未来は明確だけど「今」とは何かについて論じていて、なるほど今って実体がないなとは思った。実体がないものを明確にしようとするのが哲学なのか、とも。実体がないままではいけないのかな。
音も連続的で今を切り取ることができないようで、でも最近の音源はデジタルだから切り取れてしまうような気もする。
初めての東京都現代美術館(MOT)。東京はいっぱい美術館や博物館があるなぁ。清澄白河は初上陸かも。

平日にもかかわらずの人気ぶり。昼頃入ったが、帰るときにはチケット販売に列ができていた。オンラインで購入しておくのがお勧め。
坂本龍一氏と何人かのアーチストがコラボして様々なビジュアルと音を展開する。
例えば、一年ごとの降水量データに合わせて水滴を落としそれを音にするとか、地震波形を音にするとか。確かに音を視るし、時を聴くだ。発想に感心しながら、音の中にいる感じ。
コレクション展もセットで。こちらは、あまり人がいなくてゆっくり観れてよかった。

特に、竹林之七妍と名付けられた7人の女性作家の作品群。ちょっと上の世代の女性作家たち。パートナーの男性の影響を受けるもののそれを乗り越えて自分のやりたいことを極めていくのが興味深い。

こちらは、中庭に置かれた私の名前と同じタイトルのついた作品。美術館や博物館でこういう誰もいない空間を見つけてしばし身を置くのが好きだ。
いい時間を過ごした後は、ふらり見つけたカフェで一休み。

今年も、結構嗅覚いい感じ。検索せずに、いい感じの店を見つけ、それが当たりだったときのささやかな高揚感。清澄白河歩いても楽しそうな街だ。
MOT、また気に入った美術館が一つ増えた。