横浜トリエンナーレは、3年に一度開かれている展覧会で、近いし、いつも気になっているのだけれど、多分行ったことがなかった。
横浜美術館も新しくなったし、展示場所が多くあるし、のんびり平日の休日遊びに行ってみた。
いや~、これはのんびり観るものなんかじゃなかった。
テーマは、「野草:いま、ここで生きてる」とあり、小中学生向けのガイドには、「魯迅の「野草」という詩集からとられており、今世界で起こっている様々な苦しみの中に小さな希望を見出す」と言うようなことが書いてある。
けれど、私には、大きな絶望と抗いを表現しているように思えた。絶望と抗いがこれでもかと攻めてくるので、メンタルがタフなときじゃないと打ちひしがれるわ。
芸術家って、世の中に敏感に抗うことを要求されているんだ、特に現代アートは。様々な矛盾や不条理に「ま、そういうこともあるよね」と流してしまう日常を「NO」と突き付けられた感じ。
言葉に出すことを禁じられている中で、絵や音楽やダンスで表現しなければならない状況って現在でも存在するし、言葉よりもそれらが瞬間的にインパクトを与えるよね。
少なくとも、心が洗われたり落ち着いたりする空間ではなかったけれど、「のうのうと生きているんじゃねぇ」と怒られ、ちょっとだけ背筋が伸びた感じも。
今更だけど、魯迅の「野草」も読んでみた。いつも本を読むような、さらっと読んだのでは入ってこないので、これは何回か読んでみよう。
中の展示は、行ってみた方が伝わると思うので、写真はなし。
横浜美術館の外壁も作品。日々更新されるのだとか。
会場は複数あり、これは会場の一つの旧第一銀行横浜支店。
久しぶりに横浜を散歩したら、
こんな景色や、
こんな平和な景色が迎えてくれるけれど、ちゃんと世の中で起こっていることを知って、考えなきゃいけないな、と思い知った展示だった。