ナマステ再び

ネパール滞在後の日常@主に日本です。

2021年に読んだ本

毎年恒例、読んだ本まとめ。

去年は、結構本が読めた一年。原因は、通勤時間・移動時間が戻ってきたこと、入手ソース(図書館)が勤務先大学や夫赴任先自治体と増えたことかな。大勢待ってるベストセラーが読みやすくなったのはうれしい。

記録している「読書メーター」によると、

読んだ本の数:92
読んだページ数:26116

とのこと。ベストセラー率が上がったものの相変わらずの雑読。92冊全部記録を載せるけど、その中から面白かった10冊をまずはピックアップ。

  • サードキッチン(白尾悠):差別はいけないというのは簡単だけど、差別意識をなくすことはできないんじゃないかな。視野を広げて、色々な視点でものを観ることの大切さを痛感した。
  • 正欲(朝井リョウ):嗜好が世間に認められないものだとしたら、の辛さが伝わった。
  • 急に具合が悪くなる(宮野真生子・磯野真穂):限りある生に向かって進むときに、こんなサポーターがいたらなぁ。
  • 羊は安らかに草を食み(宇佐美まこと):これも人生の最後に封印してきた過去のつかえを友達に支えられながら外していくストーリー。
  • スター(朝井リョウ):やりたいことがやりやすくなった時代ではあるけれど、それに伴う若者の悩みが伝わった。
  • 土に贖う(河崎秋子):北海道という厳しい自然の中で、チャンスを求めてやってくる人々の挑戦と挫折の日々が鮮烈だった。
  • レッドネック(相場英雄):ネット社会の怖さは分かっているつもりだったけれど。日本の将来が不安になる。
  • 日本語とにらめっこ(モハメド オマル アブディン):全盲のスーダン人が日本に来て、日本語をどう身に着けていったか。今、語学習得過程に興味があるので。
  • サバンナの宝箱(滝田明日香):やりたいことに向かっての行動力を読んでいくと元気が出る。日本女性強し。
  • じい散歩(藤野千夜):自分勝手なじいなのだが、不要に心配せず現実に適応していく89歳。健康でストレスをためず、やりたいことをやっていくそんな「ばあ」に私もなりたい。

以下、古いものから順に2021年読んだ本紹介。

デジタル化する新興国-先進国を超えるか、監視社会の到来か (中公新書)デジタル化する新興国-先進国を超えるか、監視社会の到来か (中公新書)感想
水も電気も整備されていなくてかわいそうな国。。。というイメージの途上国だが、資源も設備も大掛かりな必要のないデジタルの世界では規制も少なく個人の権利も弱い点から簡単に新しいサービスを産み出すことができる。水洗トイレがなくてもデジタル化は進む。確かに個人情報は大切だけど、パンデミックな世の中では足を引っ張ることにもなるので、バランスが難しいと思っているうちに日本は置いていかれている。
読了日:01月11日 著者:伊藤 亜聖
聞き書 緒方貞子回顧録聞き書 緒方貞子回顧録感想
もちろん、それなりのバックボーンを持ち国際的な育ち方もしているけれど、女性という事をハンディとせずに自分の考えに従って「人の命を守る」ために前例や型にとらわれず現場を見て最善の方法を取る人であることを改めて認識した。その頃より世界はずっと狭くなっているのに、なぜ国際的な視野を持つ日本人が少ないのかなぁ。
読了日:01月13日 著者:緒方 貞子
パリの砂漠、東京の蜃気楼パリの砂漠、東京の蜃気楼感想
辛さや痛さで自分の存在意義を確認し、恋愛や書くことで自分を追い込んでいく、そうすることでしか生きて行けない著者。辛さや痛さから逃れて鈍くへらへらとしか生きて行けない自分。人それぞれやれる方法で生き続けていくんだなと思う。
読了日:01月17日 著者:金原 ひとみ
ぎょらんぎょらん感想
死んでしまった人の気持ちはわからない。すれ違った状態で二度と話せなくなってしまったら、自分の想像で相手の気持ちを考えるしかない。今のような状況では突然死が訪れなくても出会えなくなってしまい更に難しい。 主題とは違うけど、エンディングノート大事。
読了日:01月19日 著者:町田 そのこ
パリの国連で夢を食う。パリの国連で夢を食う。感想
理由はないけど、なぜかパリで生活する話が続いた。こちらは、国連で働くはた目から見れば「バリキャリ」な女性の話。国連と言う組織の矛盾とかに悩みながら、自分の価値観を見つめ悩みつつ、それに従って生きて行く様子がよかった。
読了日:01月22日 著者:川内有緒
推し、燃ゆ推し、燃ゆ感想
これも一つのこうしなければ生きていけない人なのだろう。生々しくない推しを推すことで生き続けることができる主人公。この先どうすると心配した先に綿棒を拾う光景が描写され、不器用なまま生き続ける息苦しさが残った。
読了日:01月22日 著者:宇佐見りん
アロマの国だより リヒャルディスとメルクティオの環アロマの国だより リヒャルディスとメルクティオの環感想
人物(妖精)のカタカナ名が覚えられないけれど、アロマとその特徴が関連付けられているらしい。それぞれの香りを確かめながら読めたら、もっと楽しいだろうなぁ。
読了日:01月24日 著者:恵野 十未香
生かさず、殺さず生かさず、殺さず感想
認知症患者の病気治療。本人の意思確認が難しい上、家族それぞれの思いや病状担当の医師の見解の相違の中、医療関係者のモチベーションを維持するのが困難である状況がよく分かった。それだけのテーマでも十分だったかも。 小説家の絡みはハラハラしたが、尻切れトンボな感じ。
読了日:01月29日 著者:久坂部羊
雲を紡ぐ雲を紡ぐ感想
現実はもっと厳しいと思うけれど、いいじゃないですか。盛岡にも行きたくなったし、ホームスパンにも触れたくなった。親も子も、世界を広げて色々見れたらもっと楽になるかもしれない…けれど、世界を広げるのが更に難しくなった今、自分を含め煮詰まっている人多いよね。
読了日:02月01日 著者:伊吹 有喜
孤独の意味も、女であることの味わいも孤独の意味も、女であることの味わいも感想
言葉にすることで自分を客観的に見ることができたのか、客観的に見ることができたから言葉にできたのか。私は女性であることのめんどくささにぶつかるたびに横に逸れて来て、幸い娘もいないので、意識もなくなってきた。この女性はこれからどのように年を重ねていくのだろう。
読了日:02月02日 著者:三浦 瑠麗
サード・キッチンサード・キッチン感想
差別する側はもちろん、差別される側にも別の面で差別意識はあり、人間は差別のかたまりだ。とは思うけれど、そこで開き直るのではなく、知らないままにするのでもなく、学ぶこと色々な視点で見れるようになることは本当に大事。外に出れずに更に狭い世界で生きている私たち、コロナを克服したら、外に出よう、色々知ろう、考えよう。今年イチかも(まだ1ヶ月しか経ってないけど)
読了日:02月07日 著者:白尾悠
ポラリスが降り注ぐ夜 (単行本)ポラリスが降り注ぐ夜 (単行本)感想
期せずして、ダイバーシティ関連の本が続いた。分類すること(男女、LGBTなど)に何の意味があるか、個々の人を見ればみんな違う確かにそうだ。物事を理解しやすくするために分類をするけれど、「あらゆる理解は誤解だ」と常に忘れないようにしないと。新宿二丁目がアジアの中でセクシャルフリーな街と初めて知った。知らないことはいっぱいある。
読了日:02月14日 著者:李 琴峰
声が通らない!声が通らない!感想
著者と同じく、居酒屋で店員は呼べないし、ちょっと騒がしい場面での会話ができない。更に今はコロナでのアクリル板越し会話が通じない。やっぱり簡単には解決できないのだな。時間ができたらボイトレとかも楽しそう。
読了日:02月16日 著者:新保 信長
日本の異国: 在日外国人の知られざる日常日本の異国: 在日外国人の知られざる日常感想
日本に住む外国人については色々な意見があると思うけれど、もはや日本人だけでは立ち行かない状況であるのも確か。持ちつ持たれつで共存できるといいんだけど。著者がタイで暮らした気持ちを基に在日外国人を見ているのがいい感じ。私もネパールで暮らしてから見る目が変わった。
読了日:02月23日 著者:室橋 裕和
象牛象牛感想
憧れのインドなら、象牛が闊歩しリンガ茸が群生してても受け入れられる。ドロドロの恋愛が似合う国であるような気もする。一方、国内でも家族の血縁がどうでもよくなってしまうある意味都合のいい「かえこと」の風習、これも悪くない。けっして爽やかではないが、現実逃避できるストーリー。インド行きたい。
読了日:03月09日 著者:石井 遊佳
あなたのご希望の条件はあなたのご希望の条件は感想
同業者の話なので引き込まれて読んだ。実際は、もっともっと拗れるケースも多いけど、そんな話は読みたくないのでよかった。ソフィアの方が解決できる案件も多いような気がして、身近に欲しい。
読了日:03月12日 著者:瀧羽 麻子
発注いただきました!発注いただきました!感想
冊子とかにちょっと載せられているタイアップ小説。案外好きでよく読む。でも、これってちょっと読めるのがいいので、ばっかりだと発散しちゃうなぁ。でも、スポンサーからの条件に合わせて書いてくスキルとセンスと苦労は伝わる。下世話な話だが、期間とギャラも気になるところ。
読了日:03月17日 著者:朝井 リョウ
日本の外からコロナを語る 海外で暮らす日本人が見た コロナと共存する世界各国の今日本の外からコロナを語る 海外で暮らす日本人が見た コロナと共存する世界各国の今感想
日本の外で暮らすことを選んでいる人から見た居住国と日本の話。選んでいるからこそのひいき目もあるだろうが、居住国を批判する人はほぼいない。とにかく、日本はスピード感とデジタル化では圧倒的に後れをとっている。昭和の人だけじゃなく若者にもアジアの中で先進国と思い続けている人が多いが、かなりマズい状況だと気づいて行動しないと。
読了日:03月22日 著者:
心淋し川心淋し川感想
心と書いて「うら」と読む。深いな。今よりも不便で貧しそうに見えて、人々のつながりは深く、どちらが幸せなのかわからない。思いやりながら、一生懸命生きている町の様子が心地よい。そして短篇のように見えて最後にこうまとめるかの落ち。上手です。
読了日:03月26日 著者:西條 奈加
52ヘルツのクジラたち (単行本)52ヘルツのクジラたち (単行本)感想
虐待、ネグレクト、辛い話だ。読んでいて息苦しくもなるが、現実はもっともっと酷いのだろう。そして、その叫びは中々届かない。それがタイトルの由縁。ただ暗いだけではなく、でもある程度現実的に終わったのがよかった。
読了日:03月30日 著者:町田 そのこ
告解告解感想
飲酒運転での死亡事故と、戦争で命令で人を殺した罪が同等とは思えない。前者の加害者の心情を中心に書かれているが、後者が死ぬ前に自分の罪を少しでも昇華できた方に共感した。そしてそのことで自分の罪に対して逃げるのではなく正面から向き合えるようになったのもよかった。
読了日:04月04日 著者:薬丸 岳
明日も出勤する娘へ明日も出勤する娘へ感想
同世代の著者は男社会の中でしなやかに生き抜いてきた。書かれている内容は、日本でも通用することが多く納得できる。男性社会のルールを知った上でと言うのはちょっと古い気もするが、むやみに戦ったりあきらめたりするより、とても大事なことに思える。娘がいないので、ずうずうしさを承知でこんな母親がいたらなと思った。
読了日:04月07日 著者:ユ・インギョン
旅のつばくろ旅のつばくろ感想
旅の性善説というのは、とても理解できる。多少のトラブルは旅ならば楽しめる。もちろん健康第一だけど、旅したいよなぁ。
読了日:04月13日 著者:沢木 耕太郎
おもろい以外いらんねんおもろい以外いらんねん感想
何が面白いのか理解できないことが多くお笑いはあまり得意ではない。これを読んで、自分が感じているお笑いの違和感がわかったし、時代と共に変わりつつあるのかなと。コロナ禍の芸人さんたちの苦しさ、こだわりとの葛藤なども伝わった。セリフの羅列が誰のものだか分かりにくいのが難点。
読了日:04月16日 著者:大前粟生
献灯使献灯使感想
標題は、え?これで終わるの?と思い、その後の話で補足されるような、されないような。読者の想像力で補ってね、と言うところと、言語を大事にするところが、この著者らしくて嫌いではない。老人だけが元気で生き続ける世の中、あり得るかもなぁ。私もその仲間だと思うと空恐ろしい。
読了日:04月24日 著者:多和田 葉子
魯肉飯のさえずり (単行本)魯肉飯のさえずり (単行本)感想
台湾生まれ日本育ちの著者が国際結婚の夫婦とその娘と婿の生活を描いている。娘と婿の短い結婚生活は、国際的な問題ではなく日本人同士でもありそう。身近に国際結婚カップルが結構たくさんいるので、彼らそして子供たちのことを重ねながら読んだ。自分の気持ちを伝えるという事は言葉の問題だけではないが、言葉が不十分更に文化も異なると難しいのは分かる。魯肉飯も八角も大好き。
読了日:04月28日 著者:温 又柔
旅する練習旅する練習感想
旅する練習が旅行する練習だと思って読み始めた私は能天気。途中から、思わせぶりな表現があったから何となくは感じていたけれど。叔父さんが練習する描写で、旅が中断されてしまうのがストーリーに乗れなかった原因か。最後が辛い。
読了日:05月01日 著者:乗代 雄介
キャパの十字架キャパの十字架感想
キャパのこの写真の真偽を追うために、探求する姿勢と方法そしてその情熱に感心する。そして、真実を公表できない理由も、十字架を背負い続けることの辛さも理解するという本人の立場に寄り添って考える姿勢にキャパに対する愛を感じた。
読了日:05月07日 著者:沢木 耕太郎
地球星人地球星人感想
納得がいく発想。勉強して経済を発展させて、生殖して人類繁栄が目標の社会。順応できないなら、宇宙人。それいいかもなあ。 何があっても生き延びることは大切。気持ち悪いのは織り込み済み。
読了日:05月12日 著者:村田 沙耶香
こども統計学 なぜ統計学が必要なのかがわかる本こども統計学 なぜ統計学が必要なのかがわかる本感想
統計って数学の中でも一番生活に密着したものだと思う。多くのデータをどう統計して、どう見せるかと言うのは、データ収集が簡単になった今とても重要。コロナのニュースもこの統計の取り方、見せ方が果たして正しいのかと気になるところ。分かりやすく、勉強になる。
読了日:05月13日 著者:バウンド
月の客月の客感想
文学的センスが必要な本。スムーズには入ってこない。雰囲気で読んだ。でも、これも「生きて行く」ことがメッセージなのだと。
読了日:05月16日 著者:山下 澄人
少年と犬少年と犬感想
素直な気持ちで読めば、読みやすくて感動的な話。でも、関わる人がことごとく死んでいくので、守り神なのかどうか分からないな、とへそ曲がりな私は思う。最後の話を除いて。犬は人間が改良した動物。でも、人間にはない能力がありそうではあるけれど。
読了日:05月19日 著者:馳 星周
湖の女たち湖の女たち感想
3つのストーリーが最後にどうつながるのか楽しみにした読んだけど、つながらなかった。きっと、週刊誌の連載だったから、毎週めまぐるしく展開しないといけなかったのね。でも、不完全燃焼だ。著者は、湖の描写が描きたくて後付けストーリーだったんじゃないかとか邪推中。
読了日:05月25日 著者:吉田 修一
八月の銀の雪八月の銀の雪感想
科学と日常を上手に組み合わせている。科学を身近で説得力のある話にしていて面白かった。特に表題作は、アジア系留学生、大学生の就活サポートをしている身としては、納得することばかり。段ボールロボットの話を聴きだせるキャリコンを目指さねば。
読了日:05月28日 著者:伊与原 新
御社のチャラ男御社のチャラ男感想
タイトルから受けるチャラい会社員の話、ではない。大きな会社にも小っちゃい会社にも所属したことあるけど、それぞれ社会。社員は各自色々考えて(あるいは考えなくて)過ごしていて、はたから見ると通じてることも通じてないこともある。中々深い話だった。
読了日:06月05日 著者:絲山 秋子
法廷遊戯法廷遊戯感想
ロースクールに通う学生の法廷ごっこから始まるが、ストーリーは濃く、読みごたえがあった。たぶん、この結末が正しいとは思うけれど、救われないな、誰も。
読了日:06月11日 著者:五十嵐 律人
誰かに話したくなる 摩訶不思議な生きものたち誰かに話したくなる 摩訶不思議な生きものたち感想
不思議な生態を持っている生きものが、どこから来てどうしてこうなったのかも書かれているのが興味深い。不思議な理由がしっかりあるのだ。写真がカラーでもっと沢山あると更によかったけど、TV番組での仕事だから難しいのかなぁ。
読了日:06月15日 著者:岡部 聡
日没日没感想
表現の自由が脅かされたら作家はどうなるかのフィクションでもあり、人間自分の考えを全否定する人に囲まれたら精神的にどう参っていくかを表してもいる。 表現物に毒がなくなってお墨付きばかりになったら、表現者じゃなくて世の中はどうなっていくのかも知りたいところ。
読了日:06月19日 著者:桐野 夏生
パウンド型ひとつで50のケーキ バターなしでとびきりおいしい!パウンド型ひとつで50のケーキ バターなしでとびきりおいしい!感想
パウンド型は持っていたので、読んでみた。クリームはさんだり、は面倒なのでシンプルなバナナブレッドを焼いたら、しっとりとおいしかった。ごま油で作るのが新鮮。あと作りたいのはゼリーかな。
読了日:06月19日 著者:吉川 文子
82年生まれ、キム・ジヨン (単行本)82年生まれ、キム・ジヨン (単行本)感想
82年、私が社会人になった年、に韓国で生まれた主人公の話。韓国は徴兵制があるから、さらに男女の違いがあからさまになっているのだろうが、日本だって気持ちはさほど違わず、男性によるものだけでなく女性による女性蔑視も大きい。声を上げない日本、声を上げる韓国。これから10年後どちらがジェンダー平等になっていくだろう。
読了日:06月19日 著者:チョ・ナムジュ
ブルーネスブルーネス感想
根っから悪い人は出てこないし、捻りもないけど、こういう正義が勝つストーリーを読んですっきりしたいときもある。地震研は働いていたことがあるので、親近感あり。(あんまり、よく書かれてないけどね)
読了日:06月22日 著者:伊与原 新
炉辺の風おと炉辺の風おと感想
自然をそのまま残すのならば人間は入ってはいけないが、共存するのなら最低限のマナーを守ることが必要。でも最低限のマナーってなんだろう?人間が考えることと自然が欲していることにはギャップがあるような気がする。でも、この著者の考えるマナーを反芻しつつ八ヶ岳の風景を思い描いた。
読了日:06月29日 著者:梨木 香歩
にほんでいきる——外国からきた子どもたちにほんでいきる——外国からきた子どもたち感想
毎日新聞に連載されていたが、まとめて読んでよく分かった。労働者不足ということで外国人を雇用しているのにその家族、特に子供の教育について考えられていなかったとは。日本に住んでいく以上、日本人と同レベルの教育を受ける義務があるし、それが日本の発展・安全にもつながるだろう。日本語教育者を国家資格にするとの記事を読んだ。質を上げるのも大切だが気楽に外国人の子供に声をかけられる日本人を増やすことも重要だと思う。
読了日:07月01日 著者:
ライオンのおやつライオンのおやつ感想
電車の中で読んじゃいけないヤツ。決して悲しい話ではないのだが。燃え尽きるまで、しっかり生き続けたいと思った。
読了日:07月02日 著者:小川 糸
自転しながら公転する自転しながら公転する感想
主人公には思い入れできず。こういう風に考える人もいるだろうなと思う一方、ずけずけと自分の意見を伝える友達(特に母親の、同世代だから)は羨ましかった。プロローグがどう結びつくのかと思ったら、こう来たか。
読了日:07月04日 著者:山本 文緒
悪の芽悪の芽感想
とても分かりやすくスカスカ読める一方、ネットの怖さとか想像力停止状態の危うさとかが気持ち悪くゾクゾクした。一番共感したのは、親の思いとは関係なく子は育つという点。「親に復讐」という考え方に流れなかったのはよかった。エピローグの終わり方はスッキリしすぎのような。
読了日:07月06日 著者:貫井 徳郎
ルポ新大久保 移民最前線都市を歩くルポ新大久保 移民最前線都市を歩く感想
ネパール料理を食べるために、ネパールの楽器を練習するために新大久保に行っていた。それまでは、韓流のイメージが強かったけれど、欧米ではない異国の人と味と匂いがする街。このコロナ渦で行けていない。そろそろ…と思ってたらまた遠くなってしまった。持続してほしいなぁ。大久保小学校の学校だよりの翻訳にはちょっと関わっているので出てきてうれしかった。
読了日:07月09日 著者:室橋 裕和
逆ソクラテス逆ソクラテス感想
威張らない、とか、正直に、とか、道徳の教科書みたいではあるけれど、理由がまっすぐじゃないところが流石の伊坂さん。世の中の本質ついてるかも。小ネタを楽しんだ。
読了日:07月11日 著者:伊坂 幸太郎
クララとお日さまクララとお日さま感想
現在の人工知能は大量の入力と出力のパターンを記憶してそこから新たな入力に対する出力を推測する。クララが観察して得たお日さまの効能は論理的ではなかったけれど、問題解決したというところが一つのテーマ。その対象だけを観察するだけではだめで、人間は周りの思いからも成り立っているというのがもう一つのテーマ、なのかな。AIロボットが素晴らしいでもNGでもなく淡々と描かれているのがよかった。
読了日:07月19日 著者:カズオ・イシグロ
十の輪をくぐる十の輪をくぐる感想
途中から、主人公がADHDぽいとは思ったが、それを伝えるのが娘というのが上手。ほかの人からの指摘なら反発していただろうから。当時「母」親の育て方のせいといわれ続けた中で、投げ出さず夢中になれるものを見つけ与え続け、それが本人に伝わって、ほっとした。コロナを除いても、もはやオリンピックで国が一つになる時代ではなくなったというのも感じる。
読了日:07月21日 著者:辻堂 ゆめ
同姓同名同姓同名感想
登場人物がみんな同姓同名なので読み分けるのが大変。自分の名前は珍しく匿名性がないのが悩みだったけど、同姓同名も大変なのか。もっとすごーくありふれた名前ならば、また問題にならなかったのだろうが。 容赦なく無責任に正義をふりかざし人を責める民衆、原因に縛られて身動き取れなくなる当事者。読んでて苦しくなる。
読了日:07月26日 著者:下村 敦史
月まで三キロ月まで三キロ感想
天文とか地学とかどの作品にも出てくるけれど、違和感なくいいエッセンス。住んでいる地球や取り巻く宇宙のこと知らないもんなぁ。この人の本は、優しい大人がいっぱい出てくる。読んでて苦しくなる本の後は、こういう穏やかな気持ちになれる本がいい。
読了日:07月29日 著者:伊与原 新
当確師 十二歳の革命 (単行本)当確師 十二歳の革命 (単行本)感想
キャラクターの描き分けがさすがです。世襲議員は嫌いだけど、地盤が重要だからというのも分かる。一人の力ではどうにもならない政治の世界なので、さてこれからどうなるのか。12歳は今のまま真っすぐ被選挙権が得られるまで成長できるのか。途中まで出てきて消えた人たちや、話題が気になる。
読了日:08月02日 著者:真山 仁
花は散っても (単行本)花は散っても (単行本)感想
思いが伝わらず、それでも思い続ける様子が切なかった。平和な現代だったら、思いが叶ったのだろうか。現代のサブストーリー(どっちがサブ?)によって、行動考え方の多様性は認められるようになっていることが伝わってきた。まだまだ様々な問題を抱えているけれども。
読了日:08月08日 著者:坂井 希久子
海外旅行なんて二度と行くかボケ!! (わたしの旅ブックス)海外旅行なんて二度と行くかボケ!! (わたしの旅ブックス)感想
海外旅行のトラブルは、無事帰ってきてからは楽しい思い出だし、自慢だし。文体はかなり読みづらいけれど本質はついてる。ガイドやドライバーのぼったくりとか、あるあるネタを楽しんだし、客観性をもって海外での経験をとらえているところは共感した。次の海外旅行はいつ行けるのかなぁ。
読了日:08月13日 著者:さくら 剛
その扉をたたく音その扉をたたく音感想
音楽の力はすごい。人と人を繋ぐ。でも、そこには相手のことを思う気持ちがないと。自己中心的ではあるものの不思議と素直な主人公、あなたの適職はそこでしょう、と職業柄お節介にも思ってしまう。いいよね、グリーンデイ。
読了日:08月14日 著者:瀬尾 まいこ
雪のなまえ (文芸書)雪のなまえ (文芸書)感想
もちろん、無理すれば壊れてしまうけれど、世の中は全員が自分の味方になるわけではないので、多少は我慢も必要。その兼ね合いが難しい。 読みやすいし分かりやすいけれど、ステレオタイプな設定で意外性はなかった。
読了日:08月14日 著者:村山由佳
福島モノローグ福島モノローグ感想
復興なんて大上段に構えるのではなく、自分たちの力で周りの人たちと一緒に生きていこうとする福島の人たちのモノローグ。取ってつけて、結局何もできなかった「復興」五輪なんかより、こういう当事者たちの頑張りや声をクローズアップしていくべきじゃないのかな。政治とか法律とか待っているんじゃダメで自分たちで判断して動くことが大事と痛感した。
読了日:08月18日 著者:いとうせいこう
ツチハンミョウのギャンブルツチハンミョウのギャンブル感想
皆さんが書いているように、1人称に違和感を感じるけれど、内容はエッセイとして面白い。 特に、アメリカ生活、自身が唱える動的平衡(生物をはじめとする自然のもろもろの移ろい)ネタが楽しい。スクープで有名な週刊誌にこんなコラムがあって、それを楽しみにしている読者もいるんだな。職業的には「面接のコツ」が秀逸。押されたら押し返す、大切です。
読了日:08月24日 著者:福岡 伸一
十字架のカルテ十字架のカルテ感想
心神喪失者か否かで、罰するかどうかが変わる。それを判定する精神鑑定医の話。被害者や家族、近しい人にとっては、犯人が分かっているのに罰せられないのはやり切れないだろう。 主人公が私情を持ったまま、精神鑑定を目指し、未熟な状態で対象者に接していくのが気になって仕方がなかった。成長していくのだが、思い込みや感情に走る点は経験を重ねるにつれて解消されるのだろうか。 人間の心の複雑さ、精神の病は誰にも可能性があることがよく分かった。
読了日:08月27日 著者:知念 実希人
人みな眠りて人みな眠りて感想
短編集。どれも、ひとひねり、ふたひねり、で、人間の愚かな部分が微笑ましくあらわされている。この短さで、が凄い。
読了日:09月03日 著者:カート ヴォネガット
はじめてのグラフィックレコーディング 考えを図にする、会議を絵にする。はじめてのグラフィックレコーディング 考えを図にする、会議を絵にする。感想
noteの記事のまとめだけれど、やっぱり書籍でまとめて読むのが私にはいい。iPadでの描き方、練習しよう。
読了日:09月03日 著者:久保田 麻美
全部ゆるせたらいいのに全部ゆるせたらいいのに感想
信じて裏切られてが続いてしまうと、信じることができなくなってしまうし、怖くて仕方がなくなるので相手を拘束したくなる。事情を話すことができて見守ってくれる人たちによって緊張が解けていくとよいのだけれど。アルコール依存症の患者が自分の意志で入院や期間を決めるって本当なのかが気になった。
読了日:09月04日 著者:一木 けい
正欲正欲感想
「常識」とか「みんな」とかの暴力。自分の理解できないものへの拒絶感は良く分かるが、多数側になるように仕向けられたり仕向けたりしているような面も多い。多くの人が理解できない嗜好を持つ人がみな犯罪者になるわけでないが、この世の中で生きていくために隠し続けることの苦しさが伝わってきた。「みんな違ってそれがいい」とは簡単には言えない。
読了日:09月07日 著者:朝井 リョウ
鳴かずのカッコウ鳴かずのカッコウ感想
シリーズものなのかな?でも、これだけ読んでもキャラ立ち十分。こういう仕事があるのも知らなかったし、世界規模の大きな動きを探るために中に入っていく方法も面白い。つづくっていう終わり方なので、その次があるんだろうな。
読了日:09月10日 著者:手嶋 龍一
急に具合が悪くなる急に具合が悪くなる感想
物事を決めるときには、リストアップしてメリットデメリットを上げリスクの少ない或いは価値が大きいものを選んでいた。でも、それを決めることで自分が決まっていく。そうではないことを選ぶことができた「にもかかわらず」。最後まで点にならず人と繋がり太いラインを描き続けること、それを目標にしたい(ハードだろうな)。
読了日:09月15日 著者:宮野 真生子,磯野 真穂
羊は安らかに草を食み羊は安らかに草を食み感想
生き延びるために壮絶な戦いを経たのちにも、常に相手を思いやる心を失わずに生き抜く主人公。自然と、周りに友人や家族がつながっていく。過去を封印し、「つかえ」がずっと付きまとう人生の最後は、平安になれたのだろう。読み応えあり、久しぶりに夜更けまでかかって一気読み。
読了日:09月17日 著者:宇佐美まこと
夏物語夏物語感想
試験や資格があるわけでもなく、肉体的に問題なければ親にはなれる。そして、子供は親を選べない。 でも、10か月もお腹の中にいて、苦しい思いをして生んで、自由を束縛されるからこそ、母親は「私が生んだ」ということに固執するのだろう。では、父親は?最後生まれてきた子供が、どのように成長するのか興味ある。
読了日:09月22日 著者:川上 未映子
定年女子 これからの仕事、生活、やりたいこと定年女子 これからの仕事、生活、やりたいこと感想
60ちょい過ぎの私にはあんまり新鮮味がなかったけれど、みんな色々頑張っているというので励みになったかな。「幕の内弁当」的生活、まさに自分がそうで、仕事も何か所かでそれぞれ異なる仕事、ロスも多いけど1点集中にする気にはもはやなれない。これから一番必要なのは、価値観の似た女友達だと思う。
読了日:09月26日 著者:岸本 裕紀子
オマルとハッサン: 4歳で難民になったぼくと弟の15年オマルとハッサン: 4歳で難民になったぼくと弟の15年感想
本当は、「日本語とにらめっこ」https://bookmeter.com/books/17691183 を読もうと思って作者検索で同一人物かと思って読んだ本。(同じ名前がたくさんいるんですね)でも、そんな勘違いからでもこの本に出会えてよかった。マンガのようなグラフィックノベルの形でカラフルな色合いが大変な難民キャンプの生活を和らげてくれる。待って、待って、待って、自分の夢を実現できてよかった。
読了日:09月28日 著者:ヴィクトリア・ジェミスン,イマン・ゲディ
闇に香る嘘闇に香る嘘感想
狙ったわけではないけど、満州ものが続いた。戦争は勝ち負けにかかわらず両者に大きな影を落とす。なんて、平和な今だから言えることかな。一点イージーな設定があったけど、読み応えありました。今の著者の基盤となった本。
読了日:09月30日 著者:下村 敦史
ショローの女 (単行本)ショローの女 (単行本)感想
同じ年代でショローと言っていいのかとも思うが、確かに気分的には初心者の老人ってことでショローはぴったり。 年代も、そしてオンライン授業で苦労したところも共感できることが多くて面白かった。なんだかんだ言っても逞しい。
読了日:10月08日 著者:伊藤 比呂美
白医白医感想
自分が治る可能性のない状況で耐え切れない痛みに襲われ続けたらどうなるだろう。やっぱり、楽になりたいと思うのではないか。「楽になる=終わる」ではない方法で、ただ生かされているだけではなくて、自分で考え伝えられるという手段は残すという生き方についての研究ってされているのだろうか。患者や家族側ではなくて施す側の視点を考えさせられた。
読了日:10月09日 著者:下村 敦史
灰の劇場灰の劇場感想
作家がどんなことに引っ掛かって題材を見つけるかということと、作品が映像化あるいは舞台化する際に自分から離れてしまう違和感が書かれている。現実に会った事件に想像で肉付けしてフィクションにしていく葛藤と想像力には驚くし、自分の作品が人の手によって離れていく感じは何となく納得できた。読み方単純すぎかな。
読了日:10月13日 著者:恩田陸
スタースター感想
選択肢がいっぱいあって、どれ選んでもいいよ、自分で考えて決めるのが大事と言われる時代。自由に将来が広がっているようだが、自己責任はしんどいし、ついこれを選ばなかったらとか考えたり、他を選んだ人と比較してしまう。スピード感がある分、即結果を求め、遠回りや積み上げることが難しい。漠然と感じていた彼らの悩みが、読んで明確になった。
読了日:10月15日 著者:朝井 リョウ
臨床の砦臨床の砦感想
コロナ禍での医療現場について、ドキュメンタリーのように描かれている。方向性もゴールも分からず制約も多い中で、その時点での「最善」を選択して進めている方々に頭が下がる。病院内でも温度差があるくらい、知られていない現実。少しでも負担が減らせるよう、行動に気をつけていこう。
読了日:10月17日 著者:夏川 草介
アルテミスの涙アルテミスの涙感想
色々な問題提起がありつつも、あり得ない設定も多数あって感情移入ができなかった。読みやすく一気読みだったのだが。。。ひ孫を育てるって無理があるよな、やっぱり。
読了日:10月17日 著者:下村 敦史
老婦人マリアンヌ鈴木の部屋老婦人マリアンヌ鈴木の部屋感想
初老とその母親世代(熟老?)の女性たちを取り巻く不安や喜びが書かれている。連載ものだけあって、前後の脈絡なく色々なテーマなのだが、あるあるだったり、あーこれからこうなるのかだったり。体は老いても気持ちは老いず、そのギャップに対するあがきが微笑ましくもあり、辛くもあり。
読了日:10月22日 著者:荻野 アンナ
移住者たちのリアルな声でつくった 海外暮らし最強ナビ アジア編移住者たちのリアルな声でつくった 海外暮らし最強ナビ アジア編感想
もうこの年になるとリタイアメントビザなのかしら。現地採用を狙えるのか?アジアのシニアはいくつまで働いている?医療を考えると日本がベストのような気もするが、海外暮らしももう一度したいなぁ。リアルな移住者の声が説得力あります。
読了日:10月27日 著者:
小説8050小説8050感想
題名が誤解を招くが、8050にならないために、がテーマ。解決は親の本気度と財力、と考えると半分暗くなる。子育てをすべて親の責任にするのはどうかと思うが、こういう例を読むと親の果たす役割は大きい。現実はもっともっと深刻なのだろうけれど、「小説」なので最後は明るい衝撃も。お上手です。
読了日:10月28日 著者:林 真理子
ヴィクトリアン・ホテルヴィクトリアン・ホテル感想
テーマは「優しさ」。優しくなるためには、一本自分の芯を持たないと、と言う事だろう。でも、テーマだけを追ってはダメだったんだな、と気づくのは後半。もう一度読み返したいけど、本日図書館返却日。残念。
読了日:11月01日 著者:下村 敦史
漁港の肉子ちゃん漁港の肉子ちゃん感想
憎めない肉子ちゃん。冷めた娘。取り巻く人々。これはこれで、一つのファンタジーかも。いそうでいない肉子ちゃん。舞台は漁港の焼き肉屋。えっ、石巻?偶然明日から行くところだよ。呼ばれてたかな。
読了日:11月03日 著者:西 加奈子
土に贖う土に贖う感想
図書館で出会った本。北海道というと自然が美しく、美味しいものが沢山のイメージ。でも、実際は夢見て移住しあれこれトライするものの自然の厳しさとの闘いは厳しいのだと、知らされる。地元の視点としっかりした調査に基づいていて、おもしろかった。ほかの作品も読んでみたい。
読了日:11月15日 著者:河崎 秋子
類感想
長編だったが、飽きずに面白く読んだ。偉大な父、兄弟姉妹の中で生まれたことによる、幸せと不幸が細やかに描かれている。見たいものだけを見、やりたいことだけをやりたかった生粋の芸術家がそうはさせてくれない時代の中でもがくけれども、それも何だか抜けている感じが育ちの良さなのだろうか。
読了日:11月23日 著者:朝井 まかて
レッドネックレッドネック感想
もはや、インターネットなしでの生活は考えられないし、各種サービスは無料が当たり前と思っている。そして、そのサービスはほとんど日本製ではない。タダほど怖いものがないのは知ってるのにね。この読書メーターだって、どんな本が好みなのか有効なデータになるよね。 さて、この後、日本は世界はどうなって行くのでしょう。リスクを冒さなくても簡単にコントロールできてしまう世界になるのかな。 主人公の女性の言動にイライラするけど、一読の価値あり。
読了日:11月28日 著者:相場 英雄
日本語とにらめっこ:見えないぼくの学習奮闘記日本語とにらめっこ:見えないぼくの学習奮闘記感想
外国人が日本語を習得する過程を知りたくて、手に取ったが、更にこの人は目も見えない。音から言語を学ぶけれど、同音異義語が多い日本語は本当に難しいだろう。そんな中で漱石のリズムが好きと言ったり、だじゃれをはじめとする言葉遊びができたり(音から入るから得意なのかも)。優秀で努力家なのはもちろん、明るく置かれた環境をフル活用し、更にチャレンジしていく様子は素敵だ。
読了日:11月30日 著者:モハメド・オマル・アブディン,河路 由佳
数字でわかる! こどもSDGs 地球がいまどんな状態かわかる本数字でわかる! こどもSDGs 地球がいまどんな状態かわかる本感想
グラフや表が適宜差し込まれていて、とても分かりやすい。数字の大切さをこういうところから伝えると算数好きになれそう。データも新しい。でも、子供対象にしては説明不足で難しいところも。「考えてみよう」コーナーのヒントとなる文献やURLも載っていると更によいと思った。
読了日:12月01日 著者:バウンド
わたしたちのたねまき: たねをめぐるいのちたちのおはなしわたしたちのたねまき: たねをめぐるいのちたちのおはなし感想
意識して行われる種まきはごくわずか。ほとんどは、自然や動物たちが撒き散らす。そして、芽を出して大きくなるのは、その中のごく一部。 世の中、ホントに偶然で出来ている。自分自身も含め。と言うことに改めて思い至る絵本。絵も優しくて素敵。
読了日:12月02日 著者:キャスリン・O. ガルブレイス
サバンナの宝箱―獣の女医のどたばたアフリカン・ライフ!サバンナの宝箱―獣の女医のどたばたアフリカン・ライフ!感想
自分の夢に向かって突き進む女性の本。元気出ます。タンザニアに一昨年旅行して野生動物に感激したけど、その中で生活し働くというのは想像以上。家畜やペットのスケールも日本と段違いで驚く。
読了日:12月07日 著者:滝田 明日香
ボクもたまにはがんになるボクもたまにはがんになる感想
もちろん、三谷幸喜さんなので深刻には書かれていない。でも、主治医の方との対談なので医学的な話はしっかりと。もちろん、本人ショックも葛藤もあったのでしょうが、それよりも正しい知識と治療が大切と言うことを伝えたいという気持ちがよくわかった。軽いタッチで読みやすい。
読了日:12月15日 著者:三谷 幸喜
花の命はノー・フューチャー: DELUXE EDITION (ちくま文庫)花の命はノー・フューチャー: DELUXE EDITION (ちくま文庫)感想
イギリスのワーキングクラスのイエスキリストに対する観方とか、日本の母親に対する神格化とか、なるほど~と思わせる。デビュー時からどっぷり浸かっているようで冷静な視点で書いていたんだな。
読了日:12月19日 著者:ブレイディみかこ
じい散歩じい散歩感想
老い、認知症、3人の子供は全員独身で、引きこもり、LGBT、借金まみれ。暗くなる要素満載なのに、なぜかほのぼの。どうなるか分からない将来でクヨクヨ悩まず、その時その時でできることを対応する、こんな老人(主人公のじいね)に私はなりたい。(それには健康でいろんな欲を持ち続けることが大事なのね)
読了日:12月23日 著者:藤野 千夜

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