ナマステ再び

ネパール滞在後の日常@主に日本です。

外国人の介護職について

留学生の卒業後の在留資格などについて書いていたら、外国人の介護職についてコメントをいただいた。

調べてみたので、備忘としてまとめる。(機会をいただきありがとうございました。)
参考文献は、「外国人介護職員の受入れと活躍支援に関するガイドブック」など。

とにかく、高齢化少子化が進む日本、介護人材不足が深刻化している。ということで、様々な仕組みを作って、国内では賄えない分を何とか確保しようとしている。ここにまとめたのは、2020年の3月31日時点の情報に基づいているが、どんどん規制は緩和されていきそうな気がする。

現在、外国人介護職員には4つの資格がある。

  • EPA介護福祉士候補者
  • 介護
  • 技能実習
  • 特定技能1号

EPA介護福祉士候補者(2008~)

日本の介護施設で働きながら、介護福祉士の資格を目指す在留資格。在留資格は最長4年だが、介護福祉士に合格することができれば、在留資格「介護」となり永続的に勤務可能。(対象は、インドネシア、フィリピン、ベトナムのみ)
2020年1月1日時点で、約3,500人ほどがこの資格で雇用されている。

介護(2017.9~)

介護福祉士の資格が必要。2つのルートがあり、留学生として入国し日本の介護福祉士養成校を卒業して介護福祉士になるルートと、他の在留資格から実務を通じて介護福祉士の資格をとるルートがある。在留期限なし。
この資格をもって在留する外国人は2019年末時点で592人。介護福祉士養成校の外国人留学生の入学者数は、2019年度で2,037人。

技能実習(2017.11~)

母国で活かすために日本の技術を身につけに来るという位置づけ。求められる日本語の能力は低いが最長5年という期限がある。対象国は、技能実習に関する二国間取り決めに基づく。2020年の認定数は8,652件。

特定技能1号(2019.4~)

日本の「人手不足解消」が目的。介護技能評価試験、介護日本語評価試験に合格することが必要。これらの試験は、国内のみならず、母国でも受験可能。最長5年の期限あり。試験の合格者数は、2019年から、2,000人越え。今後本格的な受入れが始まる見込み。

ネパールに限って言えば、EPA介護福祉士候補者の対象ではないので、

  • 「留学生」として日本の介護福祉士養成校に入学する
  • 「技能実習生」として入国し(ネパールで業務経験要)実務につく
  • 介護技能評価試験・介護日本語評価試験等をネパール(カトマンズ)で受験して合格し、「特定技能1号」で入国し実務につく

の後、介護福祉士を取得して、「介護」の在留資格を得れば、在留期限なく働くことができるようになるということのようだ。技能実習生の業務経験がどの程度のものか不明だが、滞在していた時に同僚と話した限りでは、ネパールに介護施設というものはなく、家族や親せきのつながりが強いこともあるし人件費が安いこともあり、介護は身内又は人を雇って行うものという認識のようだった。(平均寿命が日本よりずっと短いこともある)

母国で「特定技能1号」取得に必要な試験に合格して、日本で留学生としての高額の授業料や生活費などを払わずに日本で働くことができるのは大きなメリットである。
試験についての詳細は、「介護分野における特定技能外国人の受入れについて」に詳しい。(英語版もあり)
最近の試験では、合格率が80%を超えている。

近い将来、私も介護してもらう立場となるだろう。日本人にとっても、外国人にとっても、メリットのある介護制度になってほしいと切に願う。

にわか仕込みなので、間違いや補足があればぜひ教えてください。

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